子育て大学

東京大学 産婦人科 前田 裕斗

医師を目指したきっかけはなんですか?

私は「人は人によってこそ作られる」という信念を持っています。その考えからすれば目の前の人を助けることは、1つの命を救うだけでなく、その人が与える影響を通して何千何万人もの人を救うことに繋がるかもしれないと大変なやりがいを感じたことがきっかけです。

大学では、何を学んできましたか?

最低限の医学知識はもちろんですが、勉強も程々に部活のバドミントンに打ち込んでいました。主将として部を運営する上で最も学んだことは多様性-世の中には様々な人がおり、人ごとに考えが違うという一見当然のことです。だからこそ様々な視点から物事を捉えなければなりません。この学びは今でも、医師側だけでなく患者側、家族側から、医学だけでなく他分野から解決策を模索することで日々の診療に活かされています。

現在は何を専門に治療されていますか?

産婦人科の中でも周産期医療を専門にしています。安全な妊娠・分娩はもちろん、胎児奇形や母体の合併症などあらゆる分野に対処できるよう日々修行中です。妊娠・出産が人生の一選択肢となった現代こそ、女性の人生、一生の健康に妊娠出産がどのような影響を及ぼすのかということを研究すべきです。妊娠・出産を選んだ人にも、しない選択をした人にも共に寄り添える医療を目指したいと考えています。

医師として、一般の方に伝えたいことを一言お願いします

女性の高学歴化がすすみ、妊娠・出産が当たり前の時代から妊娠・出産を人生の選択肢の1つとして考える時代になりました。一方で女性の、自分自身の身体への理解はまだまだ進んでいません。身の回りには女性の人生に影響しかねない問題が沢山ありますー子宮内膜症、性感染症、望まれない妊娠、そして癌ー何故なるのか、どうすれば防げるのか。人生の選択肢を護るために、自身の身体のことをもっとよく知ってもらいたい。その助けをこれからもしていきたいと思います。