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不妊治療の副作用で太ることは?治療中に吐き気や嘔吐がしたら?

2019年7月25日

不妊治療の副作用で太ることはある?

個人差があり、必ずしも太るというわけではありませんが、体に脂肪がつきやすくなったりむくみやすくなる傾向はあります。

原因は、不妊治療で使われるhMG製剤やFSH製剤などの排卵誘発剤やピルに含まれる女性ホルモンによって、ホルモンバランスが急激に変化するためです。
特に黄体ホルモン(プロゲステロン)には体内に水分をため込みやすくする作用があるといわれています。ただし、大幅な体重の増加はあまりないと考えられており、万が一体重が増加したとしても1~3kg程度がほとんどです。それ以上であれば薬の副作用だけではない可能性があります。

原因として、まず不妊治療によるストレスとそれによる過食が考えられますが、卵胞の発育により卵巣が腫れたり腹水が溜まる「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」の可能性もあります。OHSSは通常2~3週間で症状は改善するといわれますが、まれに悪化し重症化する場合があります。

不妊治療の薬ってどんな副作用が考えられる?

不妊治療によく使われる薬は5種類あり、それぞれ次のような副作用があらわれることがあります。

まず、排卵を起こす、採卵のために複数の卵を育てる「排卵誘発剤」は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や頭痛、吐き気などを起こすことがあります。


また、排卵を抑制する「GnRH製剤」には不正出血、肩こり、ほてり、骨粗しょう症など、子宮内膜を整える「卵胞ホルモン剤」には食欲不振、脱毛、じんましん、吐き気など、着床率を上げる「黄体ホルモン剤」には吐き気、気分の落ち込み、頭痛などの副作用が起こることがあり、無排卵状態を作る「卵胞・黄体ホルモン混合製剤」には吐き気、むくみ、頭痛、倦怠感などが現れることがあります。

不妊治療で薬を使用する場合には、使用目的や副作用について医師からきちんと説明を受け、副作用が出てきたときにはすぐに担当医師に相談することが大切です。

不妊治療中に吐き気や嘔吐、腹水がたまったときは・・・?

不妊治療の副作用でもっともリスクが高いのが、排卵誘発剤によって起こる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。
この病気を発症すると卵巣が過剰反応を引き起こし、卵巣腫大や腹水が溜まることによる腹部膨満、血液濃縮による血栓症や腎不全、乏尿、胸水が溜まることによる呼吸困難、体重の増加などが起こり、重症化すると命を脅かしかねません。

OHSSは、若い女性など卵巣に卵胞がたくさんある人や多嚢胞性卵胞の体質のある人、AMH検査数値の高い人、男性ホルモンの高い人やこれまでにOHSSになったことのある人などがなりやすいといわれています。
頭痛や手足のしびれ、水が溜まることによるお腹や胸の膨満感、1日で1kg以上の体重増加、急激な下腹部痛や吐き気、嘔吐などがあるときには、すぐに病院へ行き担当の医師に相談しましょう。

おわりに:もし太り始めて嘔吐などもあるなら早めに医師に相談を

個人差はあるものの、不妊治療の副作用として体に脂肪がつきやすくなったりむくみやすくなる傾向はあります。ただし、過食しているわけでもなく大幅な体重の増加がみられ、急激な下腹部痛や吐き気、嘔吐があるときには、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という重症化する可能性のある合併症を引き起こしているかもしれません。すぐに担当の医師に相談しましょう。

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