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糖質制限で糖尿病を改善! 〜 カーボ・カウントで血糖値管理を 〜
2024年10月2日
糖尿病の治療中は糖質制限を
主に糖尿病の治療では糖質制限食を実施するのが基本です。糖質制限には、以下のようなメリットがあります。
食後高血糖を抑える
血糖値を上昇させる糖質を制限することで、食後高血糖を防ぐことができます。
薬物治療の必要性が減る
糖質制限などを行って血糖値をコントロールできるようになると、2型糖尿病患者さんの場合は薬剤が不要になることがあります。また、インスリン注射も不要になるケースがあります。なお、糖質制限食は1型糖尿病患者にも効果が見られます。そしてインスリン注射に頼らずに血糖コントロールができることで、低血糖も生じにくくなります。
肥満解消
糖尿病予備群や2型糖尿病患者のうち、肥満によってインスリンの効き目が悪くなり、高血糖になっている人は少なくありません。しかし、糖質制限には減量と肥満解消効果もあるため、肥満が改善することでインスリンの効き目がよくなれば、糖尿病の改善にもつながります。
カロリー制限でも糖尿病は改善する?
カロリーの過剰摂取が肥満や2型糖尿病の原因ということから、カロリー制限食が糖尿病治療の主流だったことがあります。しかし諸外国の数々の研究によって、カロリー制限よりも糖質制限が糖尿病治療においては有効だということが明らかになってきています。
血糖値を上昇させるのは糖質のため、低カロリーでも糖質が高ければ、食後高血糖を防ぐことはできないという考えが主流になりつつあります。
糖尿病の食事療法は、「炭水化物の種類と量」がカギ!
血糖値は、体内のインスリン量と糖質の摂取量のバランスに応じて変化します。そして糖質を多く含むものの代表格が、炭水化物です。そのため、高血糖である糖尿病患者の方にとって、摂取する炭水化物の種類と量は血糖値の管理上、非常に重要です。
糖尿病患者の血糖値管理法~「カーボ・カウント」~
「カーボ・カウント」という言葉をご存知でしょうか。カーボ・カウントとは、血糖値を管理するために、食事から摂取した炭水化物の量を把握するという食事療法です。カーボ・カウントでは1回の食事で摂る炭水化物の量を制限し、運動や薬物療法と並行しながら糖尿病を治療していきます。これにより、血糖値が目標値の範囲内に抑える効果が期待できるのです。
糖尿病患者にとって理想的な炭水化物の摂取量は?
食事でどのくらいの量の炭水化物を摂取してよいのかについては、個人差があります。理想の摂取量に関しては、患者本人がどのような運動をどれくらい行っているかによっても変わりますし、服用している薬によっても変わってきます。
まずは、1回の食事での炭水化物の量を45~60gにするところから始めましょう。なお糖尿病の状態によって、医師と相談しながら量を適宜調整していってください。
なお、カーボ・カウントを実施する際は、食品の栄養成分表示の「総炭水化物量」を確認することを習慣にするといいでしょう(「総炭水化物量」という言葉がある場合、「でんぷん質」「糖質」「食物繊維」の3つの炭水化物の要素が含まれていることを示しています)。食べようとしている食品にどれだけの炭水化物があるのかを確認し、それをもとにどれくらいの量その食品を食べていいのかを算出してください。
食べ物に含まれる炭水化物の量の目安
以下は、主な食品に含まれる炭水化物の量(100g当たり)になります。食事の際の目安にしてください。
- お米(精白米)/37.1g
- 食パン/46.7g
- うどん(茹で)/21.6g
- じゃがいも(蒸し)/19.7g
- インゲン豆(ゆで)/24.8g
- 牛乳/4.8g
摂取する炭水化物の種類にも工夫を
糖尿病の食事療法においてカギとなる「炭水化物」は、主に「でんぷん質」「糖質」「食物繊維」に分類されます。つまり一言で「炭水化物」といっても、摂取したものが糖質なのか食物繊維なのか、あるいは糖質の食品でもどんなものを摂取したのかなどによって含まれる栄養素はかなり異なってくるため、ここもカーボ・カウントにおいての大きなポイントとなってきます。「清涼飲料を飲む代わりにフルーツを食べる」「白米ではなく玄米を食べる」など、同じ炭水化物の中でも工夫して置き換えを行うことが重要です。
おわりに:「カーボ・カウント」で血糖値をうまくコントロール!
「カーボ・カウント」という食事療法の存在をこの記事で初めて知った、という方も多いのでは?糖尿病患者の方は、摂取する炭水化物の種類や量に気をつけることで血糖値をコントロールすることができます。いま一度、ご自身の食事を見直してみてはいかがでしょうか。