妊娠
甲状腺ホルモンとは?作用や関連する症状について
2023年12月27日
甲状腺ホルモンとは
甲状腺は、のどぼとけから親指2本分ほど下に位置していて、細胞の新陳代謝を盛んにしたり、交感神経を刺激したり、成長や発達を促す役割を持っています。食べ物に含まれているヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り出し、分泌したり、保存したりします。
甲状腺ホルモンは、代謝を促し脂肪や糖分を燃やしてエネルギーを作り出し、熱産生を高めたり、交感神経を刺激して脈をはやめる作用を持っています。そして骨の成長や細胞の新陳代謝を促進する働きもあるので、胎児や小児が正常に成長、発達するために不可欠なホルモンといわれています。
甲状腺ホルモンの分泌量が低下すると?
体内で甲状腺ホルモンが不足すると、常にだるくて眠気がひどかったり、むくみ、寒がり、便秘、皮膚のかさつき、集中力の低下、脱毛などの症状が出ることがあります。食欲減退もみられ、子供の場合は発育不全を引き起こすことがあります。
症状は少しずつ出るため、甲状腺の病気を発症していることに気付きにくい傾向があります。また、むくみの症状も現れるため腎臓や心臓の病気だと間違われたり、年配の人の場合、認知症と間違われることもあります。
甲状腺ホルモンの分泌量が多くなると?
甲状腺ホルモンが増えると、代謝が異常に盛んになり、心臓の動きも活発になります。そのため、少し動いただけで息切れしたり、動悸、汗の増加、体重減少、手の震えなどの症状が現れます。また、暑さが気になり、耐えられなくなったり、腸の働きが活発になることで下痢をおこしやすくなります。食欲はあるのに痩せてしまったり、イライラして早口で興奮しやすくなるケースもあります。
このような症状は、甲状腺ホルモンが多すぎることで起こる症状です。甲状腺が働きすぎて必要以上に甲状腺ホルモンを作っている状態を甲状腺機能亢進症といいます。
おわりに:甲状腺の場所や甲状腺ホルモンの働きを理解し、甲状腺疾患の発見に役立てよう
甲状腺は喉のあたりにある器官であり、甲状腺ホルモンを分泌して代謝や成長を促す役割を担っています。喉のあたりにしこりや腫れなどがあるときは、甲状腺肥大や甲状腺腫瘍の可能性があります。また、甲状腺ホルモンの分泌量が低下したときと過剰になっているときで体の変化も変わってきます。上記で紹介した特徴を正しく理解し、甲状腺疾患の発見に役立ててください。