妊娠
喘息は妊娠に影響を与える?薬とビタミンEについて解説
2023年11月8日
妊娠と喘息の薬
喘息の薬を服用することで、胎児の成長に悪影響があるのではと心配する女性は少なくないでしょう。中には、定期的な服用を検討している人もいるかもしれません。
妊娠したら喘息の薬はやめるべきか
喘息の薬の服用により胎児の成長に悪影響が及ぶことを恐れ、定期的な喘息の薬の服用をやめることはおすすめできません。
多くの研究によって、ほとんどの喘息の薬の服用は極めて安全だということが証明されています。医師の許可なしに、喘息の薬の服用を中止してはいけません。それどころか、喘息の薬の服用よりも、喘息の症状をコントロールできないほうが、胎児にとっては大きなリスクがあると考えられています。妊娠中に喘息症状が悪化することで、赤ちゃんが低体重で生まれてきたり、子癇前症(妊娠6ヶ月での高血圧)になる可能性があるといわれています。
喘息が悪化した場合は医師に相談
妊娠時に、喘息の症状が改善したり悪化したりと、重症度が変化することもあるでしょう。月経前後に喘息がある場合には、妊娠中に喘息の症状が悪化する可能性が高くなるといわれています。これ以外でも、喘息の症状が悪化したときは、医師に相談しながら服用薬を調整しましょう。
喘息の薬は母乳に影響を与えるか
出産後は喘息発作のリスクがある期間であり、出産前後に喘息の薬の服用を続けても問題がないとされています。また、授乳期間中の喘息の薬の服用も全く問題がないとされています。
妊娠時の喘息を抑える
妊娠中の女性が喘息の治療を適切に行わないと、早産のリスクが高まるということが研究により明らかになっています。妊娠中、自己判断で喘息の治療薬を制限することがないようにしましょう。
ビタミンEが少ないと喘息の子供が生まれる可能性が高い
体内のビタミンEが少ない母親は喘息の子供を生む可能性が高まるといわれています。ある研究では、妊娠中に体内のビタミンE値が低い状態だと、後に喘息を発症する子供が生まれる可能性が高いという結果がでました。5歳以下の子供の喘息診断や治療は、簡単ではありません。なぜなら、幼い子供に、一般的な喘息の検査を行うことは難しく、喘息とみられる症状が他の病気によって引き起こされている可能性を排除することが難しいからです。
赤ちゃんの喘息を予防する
ビタミンEの主な供給源は以下のような油です。
- ヒマワリ油
- 紅花油
- トウモロコシ油
- 大豆油
- 菜種油
ビタミンEのなかでも、特に、アルファ・トコフェロールとよばれる物質の値が低かったことがわかりました。この物質は、ヒマワリ油や紅花油に最も多く含まれます。ただし、ビタミンEと喘息には何らかの関係があることがわかっているだけで、その詳細や因果関係については明らかにされていません。
おわりに:妊娠と喘息の関係
妊娠中の喘息が胎児に影響を与える可能性は低いです。妊娠中であっても、喘息の引き金となる要因を避け、自己管理を行い、最適な薬物療法を行うことで、喘息をコントロールし、症状の悪化を防ぐことが重要です。自己判断で薬の服用を止めることは、絶対にしないようにしましょう。