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ドライアイの症状と原因 ― 予防と症状緩和のためにできることは?

2023年5月31日

ドライアイの症状の特徴

ドライアイは軽い症状で治まるものが多く、ひどくなることはあまりありません。しかし、より深刻な症例の場合はひどい痛みを伴うこともあり、合併症につながる恐れもあります。また、症状は左右のどちらの目にも現れ、多くの場合、以下の特徴があります。

  • 目が疲れやすい
  • 目やにが増えた
  • 目が痒い
  • 一日を通して悪化していく、乾燥やザラザラ、またはヒリヒリした感覚
  • 焼けるような目の痛み、充血
  • 朝、起きたときにまぶたが開かない
  • まばたきをすれば治るが、一時的に視界が不鮮明になる。かすみ目
  • なぜか光をまぶしく感じる

なお、ドライアイになったことのある人のなかには「流涙(涙が過剰に流れて止まらない状態)」の経験がある人もいるかもしれません。流涙は、ドライアイによる目が炎症を軽減しようと、涙を多く生成することから起こる現象です。

ドライアイになる原因

ドライアイは、複雑な涙の生成過程が何らかの方法で邪魔されたときに起こります。おもな原因として以下が挙げられますが、原因を特定できないこともあります。

  • 加湿をせず暖房を使用し続けている室内など、空気が乾燥している環境で過ごしていた
  • エアコンの直風があたる環境で長時間過ごしていた
  • 強い風が吹く天候の日に、長時間屋外で過ごしていた
  • 日差しが強く、紫外線が目に当たる環境で長時間過ごしていた
  • コンタクトレンズを着用していた
  • デスクワークなどで、目の疲労が蓄積した
  • 眼瞼炎(まぶたの炎症)、花粉症など、特定の病気を持っている
  • 夜更し、食生活の乱れ、運動不足など、生活習慣が乱れている
  • 抗ヒスタミン剤・抗うつ薬・β遮断薬・利尿薬などを含む、特定の薬の副作用
  • 更年期や妊娠期間、また経口避妊薬を飲んでいる間などに、女性に見られるホルモンの変化

ドライアイになる確率は、年をとるにつれ高くなり、男性よりも女性に現れやすいといわれています。しかし、これはあくまでも傾向であり、ドライアイはどの年齢層にも起こる可能性があります。思い当たる症状があるときは、早めに眼科の医師に相談するなど、年齢や性別に限らず早めに対策をとることをおすすめします。

ドライアイに関わる「涙と涙腺の働き」

涙は医学的には「涙液」と呼ばれ、「目の乾燥を防ぐ」「外部の刺激から目を保護する」「目の組織に栄養を供給する」「殺菌する」などの働きを担っています。涙液は粘液層・水層・油層の三層で構成され、それぞれ以下の特徴・働きがあります。

油層
涙の一番外側を包む成分。まぶたの縁(まつ毛の生え際より少し内側)にあるマイボーム腺から分泌され、「水層」が蒸発するのを防ぐ
水層
上まぶたの裏にある涙腺から分泌される、涙の大半を占める成分。ナトリウム・カリウムを含み、角膜に栄養を補給する、感染を予防するなど、重要な働きを担う
粘液層
角結膜に一番近い層であり、結膜・角膜から分泌され、おもにタンパク質で構成される。この粘液の一部が水層に混ざること、油層に覆われていることで、「水層」は目の表面にすき間なく広がることができる

これらの働きがきちんと行われる状態であれば、涙腺でつくられた涙は、瞬きをしたときに眼全体に広がることができます。しかし、なんらかの原因で水層の分泌量が減る、涙の成分量が変化するなどすると、涙が分泌されても目の表面に留まらない、涙がすぐに乾いてしまうなどの状況に陥り、ドライアイなどの目のトラブルが発生します。

ドライアイの治療方法と予防対策について

ドライアイは軽い症状のものが多く、以下のような治療で症状を軽減させることができます。ただし、ドライアイが何らかの病気によって引き起こされている場合、原因となる病気の治療が優先して行われます。

  • 点眼薬で眼球の動きをスムーズにする
  • 炎症を軽減させる薬を用いる
  • 必要に応じて、涙液の流出を抑える手術する

予防対策とセルフケア

ドライアイは、日常生活の環境や生活習慣が影響するため、以下の対策が予防や症状軽減につながります。

  • 意識的にまばたきの回数を増やす
  • 目やまぶたをきれいに保ち、ほこりっぽい、煙っぽい、風が強い、乾燥しているなどの環境を改善するか、避けるようにする
  • 目の疲れを最小限に抑えるため、パソコンやスマホ、テレビゲームの時間を適切に管理する
  • 加湿空気清浄機などを使って空気の乾燥を防ぎ、空気をきれいにする
  • オメガ3脂肪酸・オメガ7脂肪酸などの「健康的な油」を摂る
  • 規則正しい生活習慣生活とバランスが整った食生活を心がけ、睡眠不足と疲労の解消にはとくに気をつかう

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おわりに:ドライアイが長く続く場合は眼科に相談を

ドライアイのおもな原因は、目の乾燥と疲労です。目は仕事でもプライベートでも活躍する器官のため、なかなか時間がとれない人もいるかと思いますが、睡眠不足を解消する、こまめに休憩をとるなどして、目を休ませるようにしましょう。また、ドライアイは、軽い症状でもきちんと対策をしないまま長期化すると、慢性化・悪化する可能性があります。なかなか治らないドライアイや日常生活に困るほどひどい症状のドライアイがあるときは、早めに眼科の医師に相談しましょう。

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