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足の浮腫(むくみ)の原因は病気?むくみのメカニズムと対処法とは

2023年5月3日

足のむくみの原因とは!?どうしてむくむの?

身体の部位の中で、最もむくみが起こりやすいのが足です。理由としては大きく2つあり、1点目は、心臓から遠い位置にあり、血流が悪くなりやすいこと、2点目は、重力の関係で足に水分が溜まりやすいことが挙げられます。

足のむくみは、立ち仕事だけでなくデスクワークなどの座り仕事でも起こりやすいです。いずれも同じ姿勢を維持して、血液やリンパ液などの巡りが悪くなるためです。また、寝不足や疲労も原因になり得ます。これは、寝不足や疲労が心臓の働きを低下させるためです。

また、加齢で足の筋力が低下することでも、むくみやすくなります。足の筋肉が心臓に血液を戻すポンプの役割を果たしているため、血液をうまく心臓に戻すことができなくなるからです。

ただし、足のむくみは一時的なものが多く、翌日に治まることがほとんどです。しかし、何らかの病気が原因で足のむくみが起こっている可能性があるので注意が必要です。
慢性的にむくみがあるときには、一度医師に相談しましょう。

足のむくみは、病気が原因になっていることもあるの?

足のむくみとなっている病気としては、「肝臓や腎臓の障害」、「心不全・下肢静脈瘤」の2つが挙げられます。

肝臓・腎臓の障害

肝臓や腎臓の障害は、アルブミンの低下をもたらします。アルブミンは血中に含まれるたんぱく質の一つで、アミノ酸などの栄養素を全身に運び、血液の浸透圧を調整しています。このためアルブミンの量が低下すれば細胞の間にある水分を血管に送りきれず、水分が溜まりやすくなり、むくみを引き起こします。アルブミンは、肝臓で作られ、腎臓でろ過されます。血液検査などで、血中のアルブミン量が低下した際には、肝臓や腎臓の機能を確認してみてください。

心不全・下肢静脈瘤

心不全や下肢静脈瘤は足をむくませやすいです。一般的には、足は夕方にむくみやすくなります。しかし、このような一時的なものではなく、むくみが続く場合には注意が必要です。心不全は、心臓の血液を全身に送る力を引き下げます。結果、足まで届く血液量が減り、むくみの原因となります。
下肢静脈瘤は、静脈内の弁に障害が起こって、血液が足に溜まりやすくなります。足がむくむだけでなく、就寝中につることもあります。

更年期や妊娠中にもむくみが出やすいって本当?

更年期障害や妊娠高血圧症候群でも、足のむくみは起こりやすくなります

まず、更年期になると、女性ホルモンが急激に減少します。自律神経が乱れて、ほてりやのぼせ、イライラ感、そしてむくみなどの症状が現れます。このむくみには、特段病気の心配はありません。

一方、妊娠高血圧症候群の症状には、高血圧やたんぱく尿、そしてむくみがあります。妊娠後期に起きやすく、高齢での出産時により発症しやすくなります。尚、胎児の発達障害や脳出血を引き起こす可能性があります。症状を認めた際には、早めに医療機関を受診しましょう。

食べ物や食習慣がむくみの原因になることも?

むくみには様々な原因がありますが、食生活がむくみの原因となることが多々あります。
最も有名なのは、塩分の摂りすぎによるむくみです。塩分を摂りすぎると、浸透圧の調節で血管の内部にある血液中の水分が血管の外に染み出てむくみの原因となるのです。

また、お酒を飲みすぎることがむくみの原因となることがあります。アルコールは脱水作用があるため、一見するとむくみを改善するかのように思われます。しかし、脱水状態に陥ることで必要以上の水分を摂ることやアルコールの作用で血管が拡張され、血管から水分が染み出しやすい状態となることでむくみが起こることがあります。

高齢者の足のむくみの原因はひとつじゃないことも!!

高齢者は心臓や腎臓、肺などの病気によってむくみが引き起こされることが多々あり、また加齢による筋力の低下や運動不足がむくみを誘発することがあります。

さらに、高血圧の治療に使われるカルシウム拮抗薬やACE阻害薬などは副作用としてむくみを生じることが知られていますが、高齢者はこれらの薬を服用している率が高く、薬による影響でむくみを生じていることも考えられます。
このように、高齢者にはむくみが引き起こされるような要因が多くあり、複数の要因が関与していることもあるので、むくみ改善への対策を行うときには慎重な吟味が必要となります。

むくみはしっかりケア&予防することが大切

足のむくみの多くは一時的なものです。しかし、むくみを放置していれば免疫力を低下させ、別の疾患につながりかねません。マッサージなどを行って、しっかりとケアしましょう。

また、むくみの予防では、身体の適度な運動が大切です。具体的には、ウォーキングや散歩(階段を使用)でふくらはぎやももの筋肉を鍛える、足の先を動かしてストレッチする、などが挙げられます。こういった日頃からの予防を心がけることが大切です。

こんなむくみがあるときは病院へ

私たちの体は、体内の様々なバランスが崩れることでむくみを生じます。それらのむくみは通常であれば、一時的なものであり、半日~数日で改善することがほとんどです。
しかし、長く続くむくみは、がんや心臓や腎臓などの重要な臓器に何らかの病気がある可能性があります。特に、痛みを伴うむくみや足首を動かしにくくなるような強いむくみ、左右差のあるむくみは病院へ行って、適切な検査・治療を受けるようにしましょう。

おわりに:むくみは病気のサインの可能性も。見過ごさず、しっかりと対策を

「単なる足のむくみ」と放置していると、大きな病気を見過ごしてしまうかもしれません。普段からの予防策やマッサージを実践しても、むくみの解消されない場合は病気の可能性もあります。医療機関を早めに受診して悪化を防ぎましょう。

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