妊娠
ヘルプマークは何を表すもの?どこに行けば入手できる?
2022年1月12日
ヘルプマークってどんなもの?
ヘルプマークとは、援助や配慮を必要としていても外見からはわからない人が、周囲の人に「配慮を必要としています」と伝えるためのマークで、いざというときに援助を受けやすくなるように作られたものです。義足や人工関節をつけている人、内部の障害や難病の人、妊娠初期の人などのほか、発達障害や精神障害、知的障害を抱える人など、外見からは障害の有無がわからない人が主な対象です。
外見から障害や体の事情の有無がわからないと、疲れやすかったり急に体調が悪くなったりして優先席に座っていたのに、白い目で見られてしまったり、元気そうに見えていたのに突然倒れてしまって驚かれたり、ということになる可能性があります。このように周囲の人の理解が得られなかったり、体調の急変時に適切な対応を受けられなかったりすると、当事者もそうですが、周囲の人も困ってしまうことになります。外見からわかりにくいからこそうまく伝えられなかったり、そのためにトラブルや不安を抱えやすかったりするため、ヘルプマークが必要なのです。
基本的には、赤字に白色で十字マークのハートが描かれたデザインそのものを「ヘルプマーク」と呼んでいますが、地方自治体などが配布している手のひらサイズの長方形のストラップも、同じ名称で呼んでいます。このストラップの裏面には、必要な支援を記載したシールを貼ることもできます。また、ヘルプマークを入手するために障害者手帳などの提出も不要です。必要な人がすぐにヘルプマークを利用できるよう、配布に関しても配慮がされているのです。
ヘルプマークが役立つのはどんなとき?
ストラップタイプのヘルプマークは、裏面に必要な支援や緊急連絡先などを記載し、かばんなどの人目につきやすいところにつけて使うのが一般的です。このように周囲の人から見えやすい場所につけておくことで、何らかの事情があり、配慮を必要としていることを伝えやすくなります。
具体的には、例えば以下のようなときに役立ちます。
- 電車内で優先席を利用するとき
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- 外見からはわからない障害や疾患で、立っていられなかったり疲れやすかったりする
- 優先席は高齢者のものとする考えが根強いため、若いと注意されたり怪訝な目で見られたりするなどの誤解やトラブルを生み、つらい思いをすることがある
- ヘルプマークをつけていれば、事情があることを視覚的に伝えられる
- 障害のある子どもが迷子になったとき
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- 知的障害や発達障害の子どもが迷子になると、本人の力で帰るのが難しいこともある
- ヘルプマークをつけていれば、駅員さんなど周囲の人が声かけしてくれたり、裏面の緊急連絡先に連絡してくれる配慮が期待できるかもしれない
- 発作などの緊急時
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- ヘルプマークに緊急時の連絡先として、かかりつけ病院の電話番号や必要な支援を書いておく
- 病院に連絡してもらえたり、適切な処置を受けられたりする可能性がある
- 発作で倒れて意識がないなどのときは、本人が自力で意思疎通や連絡を取れない
- 通行人や救急隊員が見つけてくれれば、対処に役立ててもらえるかもしれない
- 災害時
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- 危険を察知しにくい、パニックで動けなくなる、情報を素早く得られないなどの人がいる
- こうした人が災害時、自力で必要な情報を得て安全に避難するのは難しい
- ヘルプマークをつけておくことで、周囲の人の支援を受けながら安全に避難できるかもしれない
このように、日常生活では優先席やいざというときの連絡・対処に、災害時には健康な人と一緒に避難できるようになど、ヘルプマークにはさまざまな利用方法があります。
ヘルプマークはどこでもらえる?
ヘルプマークは、役所の障害福祉窓口や身体障害者福祉センター、地下鉄の駅務室などで配布されています。しかし、自治体によってヘルプマークを導入しているかどうかが異なりますので、市のホームページなどで確認してみましょう。一部の自治体では、配布場所が少ないこともありますが、郵送にも対応しているところもありますので、まず配布場所や郵送対応などを調べてみると良いでしょう。
また、配布場所まで行くのが難しい、自治体が郵送に対応していないなどの場合、自作することもできます。たとえば、東京都福祉保健局のWEBサイトには、ヘルプマークの作り方に関するガイドラインが掲載されています。
ヘルプマークをつけている人を見かけたときの対応は?
ヘルプマークをつけている人を見かけたら、基本的に以下の3つの対応を心がけましょう。
- 電車やバスの中で、席を譲る
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- 外見上は健康に見えても、疲れやすい人や、立っていられない人もいる
- 外見からはわからないため、優先席に座っていても不審な目を向けないことが大切
- 駅や商業施設などで、声をかけるなどの配慮をする
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- 交通機関の事故など、突発的な出来事にすぐ対応できない場合がある
- 立ち上がる、歩く、階段の上り下りなどがすぐにできないこともあるため、補助する
- 災害時は、安全に避難するための支援を
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- 視覚障害者や聴覚障害者などは、状況把握が難しく必要な情報も得にくい
- 肢体不自由者は、自力ですぐに避難しにくいため、支援が必要
このように、まずは優先席があれば譲ったり、階段で立ち止まってしまっていたら「何か手助けできることはありませんか」などと声をかけたりすることが大切です。また、災害時にはさまざまな事情から、状況がわからなかったり、必要な情報が得られなかったり、自力で避難できなかったりする人がいます。こうした人が近くにいれば、ぜひ積極的に支援していきましょう。
おわりに:ヘルプマークは、外見からはわからない事情を周囲に伝えるためのもの
ヘルプマークは、義足や人工関節、内部障害、精神疾患や発達障害など、外見からはわかりづらい事情があって配慮や対応を必要とする人が、「何らかの事情がありますよ」とわかりやすく周囲に伝えるためのものです。
ヘルプマークは配布場所でもらうほか、自作することもできます。ヘルプマークをつけている人を見かけたら、声かけや席を譲るなど、積極的に支援していきましょう。