妊娠
妊娠糖尿病になったら、もうおやつは食べちゃダメなの?
2020年10月5日
妊娠糖尿病になったら、もうおやつは食べちゃダメ?
妊娠中の女性の体ではホルモンに変化が生じますが、血糖の調節をするインスリンの働きが抑えられてしまい、血糖値が高い状態が続く「妊娠血糖病」を発症することがあります。
甘い食べ物や飲み物、主食となる食べ物(ごはん、パン、麺類)は糖質を多く含み、血糖値を上げやすい食品です。妊娠血糖病と診断されたら糖質を多く含む食品はなるべく控えることが望ましく、食事療法で血糖値をコントロールしながら症状の悪化を防ぎます。妊娠血糖病は合併症を引き起こす可能性があり、母体のみならず胎児や新生児に以下のような影響を与えるおそれがあります。
母体
- 妊娠高血圧
- 流早産
- 難産
- 感染症(膀胱炎や腎盂腎炎など)に罹りやすくなる
胎児、新生児
- 巨大児になりやすい(帝王切開となりやすい)
- 新生児低血糖
- 胎児奇形
妊娠糖尿病になったときのおやつ、どのくらいなら食べても大丈夫?
生まれてくる赤ちゃんのためにもおやつは控えるのがよいですが、食事からいきなり糖質を抜くのはおすすめできません。糖質は大切な栄養素であり、丁度いいおやつの取り方をすればストレス解消の効果も期待されるからです。食事療法のポイントは量と質を考えておやつを選ぶことです。
理想的なおやつの量
量の目安は一日当たり80~160kcal、多くても200kcalが限度です。ただし朝・昼・夕の食事はバランスよくきちんと食べましょう。おやつを食べるために食事を抜くのはNGです。食べる量をあらかじめ決めておき、だらだら食いやつい手がのびてしまうということを避けるようにしてください。
おやつの質の上げ方
質の面では、栄養のバランスを意識します。体にいいものをおやつに選ぶようにしたり、おやつを食べるときには特定の栄養素を一緒に摂取するようにしましょう。 大豆 たんぱく質は血糖値の上がり方を穏やかにしてくれます。大豆にはたんぱく質が含まれていて、豆入りのせんべいなどがおやつにおすすめです。たまごやチーズも良質なたんぱく質を含みます。
たまご
たんぱく質のほか、必須アミノ酸(ビタミン、ミネラル、カルシウム、鉄、亜鉛など)を含みます。栄養満点かつ1個あたり80kcalと低カロリーの食品です。ゆでたまごをおやつにするとヘルシーです。
ナッツ類
ナッツに含まれるマグネシウムは普段の食生活では不足しがちな栄養素です。アーモンドやカシューナッツなど種類が豊富ですが、塩味のついたものは塩分の摂り過ぎに注意してください。ナッツはカロリーが高めですので、一度の間食では多くても20粒ほどにします。
フルーツ
十分な甘味を感じられ、ビタミンや食物繊維が豊富なものがあります。フルーツに含まれる果糖は血糖値をあまり上昇させませんが、食べ過ぎは肥満につながります。
乳製品
チーズ、ヨーグルト、牛乳などの乳製品はカルシウムが豊富です。甘味を足したいときは体内に吸収されにくいオリゴ糖がおすすめです。
機能性食品
低糖質の栄養食品やおやつが発売されています。食べ過ぎない程度に取り入れましょう。
妊娠糖尿病のときにNGなおやつは?
洋菓子は糖質とカロリーがともに高く脂肪分も多く含まれているので、妊娠糖尿病の方は避けるのが安心ですが、どうしても食べたい場合は糖質の低いものを選んだり、食べる頻度を極力少なくしてください。
おやつには糖質のほか塩分が多く含まれていることがあります。塩分過多は妊娠高血圧にも一般的によくないとされています。スナック菓子や揚げ物の塩分量には注意します。
おやつを食べるときに気をつけたいポイントは?
おやつを食べるときには量と質、それから時間にも気をつけます。おやつを食べるなら活動量が増えていく午前中~お昼の間がおすすめです。就寝前のおやつは就寝中だけでなく翌朝の血糖値にも影響を与え、肥満を引き起こします。
おやつは食事の後にデザートとして食べるのがよいでしょう。野菜など繊維質を食べたあとなら血糖値の上昇が穏やかですし、すでにお腹に食べ物が入っているため少量のおやつで満足できます。
おわりに:おやつの食べ方のポイントは、量・質・時間!
おやつは食事で不足しがちな栄養素の補給になったり、幸せな気分をもたらしてくれる大切なものです。妊娠糖尿病の方は食べる量・質・時間をきちんと守り、健康的に味わっていきましょう。