妊娠
妊娠初期の症状は、つわり以外にもあるの?
2020年8月3日
そもそも、「妊娠初期」ってどの時期を指すの?
妊娠初期は「妊娠2ヶ月~4ヶ月」、週数でいうと「妊娠4週目~妊娠15週目ごろ」のことです。
妊娠初期のお腹はそれほど目立ちませんが、母体には変化が現れはじめます。
妊娠初期は胎児の脳神経や各器官が生成される大事な時期であり、放射能や薬剤、アルコール、風疹などのウイルスの影響を受けやすい時期でもあります。
代表的な妊娠初期の症状は?
ここで紹介する症状は妊娠初期の代表的な症状です。
以下のような症状があるときが妊娠している可能性があるので、早めに産婦人科で診察を受けましょう。
つわり
つわりとは、昼夜関係なく吐き気や嘔吐の症状のことです。一般的には、最後の月経から約6週間後に出始めることが多いです。
強い眠気
妊娠中は眠気を引き起こすプロゲステロンという女性ホルモンの一種が体内で多量に分泌されるので、強い眠気・生あくびが出たり、「何もしたくない」ほどの倦怠感に襲われることがあります。
胸が張る
女性ホルモンの一種であるエストロゲンが増えた影響で、乳房が張ったり通常よりも大きくなったりすることがあります。
お腹が張る、腹痛
妊娠中は月経痛に似たような、子宮内や腹部の不快感を伴う張りや痛みを頻繁に感じるようになります。これは子宮の生理的な収縮のためと考えられています。
その他の妊娠初期の症状
妊娠初期には、上記の他に以下のような症状があらわれることがあります。
味覚や嗜好の変化
妊娠初期は感覚が敏感になり、以前は好んでいた食べ物や飲み物が嫌いになったり臭いに敏感になったりすることがあります。
また、食欲に関しても変化が現れることが多く、それまではあまり好きでなかったものを猛烈に食べたくなったり、食欲が急に増したり・減ったりすることがあります。
肌に吹き出物が出る、皮膚が敏感になる
妊娠によるホルモンバランスの変化から、皮膚に痒みがでたり、顔にニキビのような吹き出物が出たりすることがあります。
また、それまで使っていた化粧品が合わなくなることもあります。そのようなときには、スキンケア用品や化粧品を、できるだけ刺激が少ない商品やオーガニックの商品に変えてみましょう。
頻尿、便秘になる
妊娠初期でも子宮は少しずつ大きくなっていくので、膀胱が子宮に圧迫されてトイレが近くなることがあります。お腹周りを冷やさないようにして、トイレは我慢せずに行くようにしましょう。
また、プロゲステロンというホルモンの影響で消化管の蠕動(ぜんどう)運動がゆっくりになるので、一時的に便秘の症状が出る人もいます。
妊娠初期の症状は、いつから出始める?
妊娠初期には急激なホルモン分泌の変化が生じるためさまざまな体調不良が生じます。
上記で紹介したもの以外では
- 熱っぽさ
- 気分の落ち込み
- めまい
- 立ちくらみなどが挙げられます。
などの症状が現れることがあります。
ただ、これらの症状の現れ方には個人差があり、現れ始める時期も人それぞれです。妊娠5週前後の妊娠が判明する頃から悩まされる人もいれば、何も症状がない人も少なくありません。
つわりなどがないと不安になる方もいると思いますが、胎児の成長や母体の健康状態に問題がなければ特に気にすることはありませんので安心して過ごしましょう。
妊娠初期に出血と腹痛が続くときは・・・
妊娠期間全体を通して流産には注意が必要ですが、特にリスクが高いのが妊娠初期です。
以下のような症状が出た場合はすぐ病院を受診してください。
- 腟からの大量出血
- 激しい腹痛
- 急なのどの渇き
- 排尿時に痛みが出る
- 38度以上の熱、寒気、背中の痛み
- 手や顔の激しいかゆみ
- 視覚障害
異所性妊娠(子宮外妊娠)
少量の出血や下腹部の筋けいれん(ひきつれ)や強い痛みが診られる場合、異所性妊娠(日本では子宮外妊娠と呼ばれることが多い)が起こっている可能性があります。
通常、卵子は卵管内で受精して子宮内膜に着床しますが、異所性妊娠では卵管が狭くなったり、ふさがっているなどの理由で受精卵が子宮にたどり着けずに子宮外の組織に着床します。
子宮以外の組織では必要な血液を供給したり胎児を育てることができないため、最終的に胎児は生存できず、多くの場合は胎児が生存可能になるよりもずっと前の6~16週間後に、着床部位が破裂してしまいます。
異所性妊娠による破裂が起こると、出血がひどく母体の生命が脅かされる可能性があるので早期発見・対処が大切です。
おわりに:妊娠初期の症状の中には注意が必要なものもある!
「つわり、眠気、胸やお腹の張り、腹痛」などの代表的なものの他にも、妊娠初期にはさまざまな症状がみられます。
ほとんどの症状は妊娠初期や妊娠中の一時的な変化ですが、出血と腹痛が続く場合には異所性妊娠(日本では子宮外妊娠と呼ばれることが多い)をしている可能性があるので注意が必要です。
普段との違いを感じたら、できるだけ早く産婦人科で診察を受けましょう。