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避妊はコンドームがあれば安心?さまざまな避妊法

2020年7月13日

自分のことだから、自分主導で積極的に避妊

妊娠は女性の人生を大きく変えます。望まない妊娠では、心と体に傷を負い、マイナスな人生に向かってしまうことも少なくありません。

妊娠は自分自身の人生に関わる大切な問題です。妊娠は命を授かるということ。新しい生命があなたの体に宿るということ。その責任は、軽々しく考えられることではありません。だからこそ、避妊は、女性主導で積極的に。妊娠を望まないのであれば、しっかりと、きちんと避妊をしましょう。

避妊を甘く考えない

避妊と言えば、コンドームを思い浮かべる人は多いでしょう。残念ですが、「膣外射精してるから大丈夫!」という人もたくさんいます。コンドームでも避妊確率は絶対ではないのに、膣外射精で避妊できていると考えるのは、やめてください。

安易な膣外射精のセックスが望まない妊娠につながり得ます。膣外射精の後に「妊娠したかも…」と不安を感じたことがある人も多いでしょう。

妊娠はしたくないのであれば、積極的にただしい避妊を実践しましょう。コンドームも、ただしい利用方法と妊娠可能性の高い時期の性行為を避ける組み合わせで、格段に避妊効果が高まります。パートナーとの大切な時間は、万全の避妊で、より楽しく、より幸せな時間になるのです。

さまざまな避妊法

避妊法には、さまざまな方法があり、それぞれの長所と欠点を理解したうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

おもな避妊法として、経口避妊薬(ピル)、緊急避妊(モーニングアフターピル)、IUD(子宮内避妊具)、コンドーム、膣外射精法(性交中絶法)などが挙げられます。
また、避妊は、妊娠成立を人為的にコントロールすることであり、コントロールしなければ、妊娠は再び可能になることが避妊法にあてはまるため、不妊手術は含まれません。

以下のような条件のなかから優先順位を考えて、避妊法を選びましょう。
・避妊効果
・年齢、出産経験の有無
・副作用
・費用
・恥ずかしくない
・将来の妊娠に影響をあたえない
・男性の協力が不要
・性行為の頻度
・今後の出産

5つの避妊法

以下、避妊法を5つ紹介します。

1.ピル(経口避妊薬)

エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン作動薬)を配合することでホルモンの分泌を抑え、排卵を抑えて避妊します。排卵だけでなく、粘液の性質を変え、精子が子宮内に入るのを留め、受精を阻害します。

月経周期に合わせて処方され、28錠のタイプ(3週間服用し、1週間は偽薬を使用)と21錠のタイプ(7日間は休薬)があります。

現在、もっとも確実な効果がある避妊法です。しかし、欧米に比べ、日本で避妊法としてピルを服用している女性は非常に少なく、普及しているとはいえないのが現状です。
理由として、副作用への不安、ホルモン療法への過剰な心配が挙げられます。

最近では安全性が見直されており、避妊効果の確実性の面からも、使用を検討すべき避妊法の1つです。毎日、ただしく服用することで、妊娠確率は0.1%以下といわれる確実な避妊効果が得られます。

長所として、
・月経痛が軽くなる
・卵巣や子宮の休息効果
・にきび、多毛の改善
・卵巣がんの予防
・子宮内膜症の予防
・貧血の改善
・自分の意思で避妊できる
・服用を止めれば、妊娠可能
・性行為の雰囲気を壊さない
などのメリットがあります。コンドームを併用すれば、避妊効果をさらに高め、性感染症の予防にもなります。

短所としては、
・飲み忘れは厳禁であること
・性感染症の予防にはならない
・授乳期は使用できない
・医師の処方が必要(費用は1ヶ月約3000円程度)
があります。
服用を忘れると避妊効果が得られない場合があるため、飲み忘れは絶対にNGです。また、喫煙者、乳がん、高血圧の女性はリスクが高くなるため、服用に関しては、医師に相談してください。

2.緊急避妊(モーニングアフターピル)

絶対にないとは言い切れない不測の事態。ピルの飲み忘れやコンドームの破損、コンドームなしの性行為etc…そんな時、緊急の対処法として用いる避妊法が緊急避妊です。

性行為後72時間以内に2錠、さらに12時間後に2錠、ピルを服用します。ほぼ確実に避妊できますが、絶対的に確実な避妊法ではなく、強い吐き気など副作用を起こす人もいます。
医師に処方してもらいますが、あくまでも緊急の対処であり、性感染症を防ぐものでもありません。緊急避妊薬をあてにして、普段から避妊に気を配らないのはおすすめできません。

3.IUD(子宮内避妊具)

子宮内にポリエチレン製の器具を装着することによって、受精を阻害します。「リング」とも呼ばれ、ピルと同じく確実性の高い避妊法です。なかでも銅付加IUDは大きさも小さくより高い避妊効果が得られます。
現在、IUDには、器具の内部に銅やプロゲスチンが付加され、大きさもより小さく、避妊効果もさらに高くなったタイプがあります。月経後に産婦人科で装着してもらい、その後、1年に1回程度、医師のチェックを受けます。費用は2~3万円くらいです。

IUDの長所として、
・避妊効果が高い
・一度の装着で3年程度、効果が持続する
・女性の意思のみで行える
・薬を服用する手間がいらない
などがあり、出産経験があり、しばらくは妊娠を希望しない女性に特に適しています。

短所としては、
・医師の受診が必要で、自分で管理できない
・自然脱出することがある
・月経が重くなることがある
・出血や腹痛がみられることがある
・骨盤内感染症にかかった人には向かない
・出産経験のない女性には違和感がある
などがあります。

4.コンドーム

コンビニや薬局で簡単に手に入る手軽さ、性感染症の予防、避妊効果、使いやすさ、費用の面から、最も一般的な避妊法がコンドームで、日本でも最もメジャーな避妊の選択肢です。
ラテックス(ゴムの一種)製の器具をペニスに装着し、精液が腟内に入らないようにして、妊娠を防ぎます。性感染症の予防に高い効果があるのが特徴ですが、「いつもただしく装着」が、なかなかむずかしく、避妊確立も9割弱程度で、確実な避妊法とはいえません。

望まない妊娠を避けるためには正しく使うことが重要で、男性の協力が必須なのもマイナス点です。しかし、後述の基礎体温法などと組み合わせて利用することで避妊効果は高まります。
挿入前にコンドームを装着し、射精後はすぐに外して捨てるのが特に大切です。
途中までコンドームを使わず、射精時につけるのは、後述の膣外射精とほとんど変わりません。コンドームは、ただしく使用しない限り、高い避妊効果が得られないことを忘れないでください。

5.膣外射精法(性交中絶法)

男性が射精直前に男性器を膣から抜き、腟外に射精する方法です。避妊法というには、あまりにお粗末なもので、失敗も多い避妊法です。また、射精前に精液を漏らすことが多々あるため、コンドームの途中装着も膣外射精とほとんど変わりません。

おわりに:基礎体温法について

朝、目覚めたときに口に女性用体温計を入れて検温した体温が基礎体温になります。
女性ホルモンの影響で基礎体温は、1ヶ月の間に低温と高温に変動し、月経が28日周期の人の場合、前半2週間は低く、後半は3分程度高くなります。低温と高温のちょうど境くらいが排卵日で、最後の低温日の前後4~5日の間が排卵期になります。

精子は性交後2~3日は受精能力があるため、排卵期の前後4~5日間、性行為を避けることで避妊します。
しかし、生理周期にはズレがあること、低温はいつ終わるかわからないこと、体温は体調によって左右されること、などから避妊法としての確実性は高くありません。

基礎体温を測らずに、通常の月経周期から排卵日を推測して、排卵日を含む一定期間、性交を避けるオギノ式も有名ですが、不確実な方法である点は変わらないため、避妊法としてはおすすめできる方法ではありません。

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