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妊娠中に飛行機に乗っても大丈夫? 移動中の注意点とは?

2020年5月11日

妊娠中は旅行しても大丈夫なの?

最初の12週間は吐き気や疲労感などを感じやすいので、旅行は控えることをおすすめします。特に最初の3週間は流産の可能性が高いため、注意が必要です。また、妊娠の最終段階での旅行も疲労感が大きいため、一般的には4~6カ月の安定期と言われる妊娠中期に旅行や休暇をとるのがよいと考えられています。

妊娠中はいつまで飛行機に乗れる?

妊娠37週目(双子であればおよそ32週目)以降は赤ちゃんが生まれる可能性が高いので、飛行機での旅行は控えてください。また、航空会社によっては飛行機に妊婦を乗せない決まりがある場合もあります。事前に利用予定の航空会社のホームページをチェックしましょう。

なお、長距離のフライト(5時間以上)によってエコノミー症候群になる恐れがあります。飛行機に乗る場合は、できれば30分ごとに水分をとるよう心がけてください。足のむくみを軽減するためには、薬局で購入できる段階式着圧ストッキングを着用することをおすすめします。

流産の危険性はない?

飛行機に乗ったからといって流産のリスクが上がるわけではありません。しかし、元から切迫流産と診断されている人や、妊娠による貧血やつわりによる脱水症などがひどい妊婦さんは、具合が悪くなってもすぐに飛行機を降りて休んだり病院にいったりすることはできないため、飛行機での旅行は控えた方がよいでしょう。

また、飛行機に乗ることで母体や胎児に影響が出ることはありませんが、念のため旅行前に助産婦や医師に相談してください。

国際線と国内線で違いはある?

航空会社によって異なりますが、国内の多くの航空会社では、国際線と国内線で異なる搭乗制限があります。国内線の場合には出産予定日から7日以内の搭乗には医師からの診断書と医師の同乗が求められますが、国際線の場合は14日以内の場合に同様の制限が設けられています。

診断書は必要?

多くの航空会社では、出産予定日から28日以内の搭乗の場合に医師からの診断書や同意書の提出が求められます

気圧の変化で悪影響は起こる?

飛行機に乗ると気圧が変化しますが、お腹の赤ちゃんに直接的な悪影響があるわけでないので心配しなくてもいいでしょう。
ただし、お母さんには次のような体調の変化が現れることがあります。

  • 耳鳴りや耳の痛み
  • 吐き気
  • お腹の張り
  • 息苦しさ

特に注意したいのは、お腹の張りや息苦しさで、これは妊娠中期以降お腹が大きくなると現れやすい症状です。気圧の変化によって胃腸内のガスが膨張することで引き起こされ、お腹全体がパンパンに張ったように感じたり、肺が圧迫されて息苦しさを感じたりします。

このような事態を防ぐためにも搭乗前に食事を摂るのは控え、万が一気分が悪くなった場合にはできるだけ早く搭乗スタッフに伝えましょう。

飛行機に乗ることでの放射線の影響は?

飛行機に乗ると、地上にいるよりも多くの放射線を浴びることになります。しかし、赤ちゃんや妊婦さんに影響が出るような高濃度の放射線ではありませんから、放射線の影響を受けやすい妊娠初期や、国際線の長距離フライトであっても基本的に心配はありません。

妊娠中に他の乗り物で移動するときの注意点

車移動

妊娠中は、疲れやめまいを感じやすくなります。車で旅行する場合は、以下の点に注意してください。

  • こまめに水分をとること
  • エネルギーが豊富な自然の食べ物(フルーツやナッツなど)を摂取すること
  • 定期的に車を止め休憩すること
  • 車内を換気すること
  • 胸の前で交差するタイプのシートベルトを着用すること
  • 座席ベルトは腰ではなく骨盤あたりで締めること
  • ひとりで長距離の移動をしないこと(妊婦に最も多い怪我の理由は交通事故)

船での移動

フェリー会社によっては、妊娠32週目以降など出産予定の近い妊婦は搭乗が断られる場合があります。予約する前にフェリー会社の規則を確認してください。また、クルーズなど長距離の船旅の場合、出産に対処できる施設が船上にあるかなども調べましょう。

妊娠中の旅行でやっておくべきこと

ほとんどの妊婦さんは、予防接種、旅行保険などの情報を把握することで安全に旅行できます。

目的地がどこであるにせよ、緊急の治療が必要となる場合に備え、医療施設がどこにあるのか調べておきましょう。最新情報が書かれた母子手帳を携帯することも大切です。また、旅行保険が分娩、早産や帰りの飛行機の日程の変更費用といった不測の事態もカバーできるものかもあわせて確認しておいてください。

旅行前の予防接種

生きた細菌やウイルスの含まれたワクチン(生ワクチン)は、胎児に悪影響を及ぼす恐れがあるため、妊娠中は推奨されていません。ただ、もし予防接種を必要とする地域へ旅行する場合は、接種を受けてください。接種によるリスクよりも、海外で感染症にかかるリスクのほうが可能性としては高いです。特定の予防接種などに関する情報は、医師や助産師に確認してください。

海外旅行での飲食時の注意点

海外の飲食物によっては、胃痛や「旅行者下痢症」などを引き起こす場合があります。もしこれらにかかってしまったとしても、妊娠中に服用してはいけない薬もあるので注意してください。

また、水道水の安全性についても確認が必要です。もし安全性が低いのであれば、ペットボトルの水を飲むようにしてください。もし気分が悪くなったら、水分を補給しましょう。また、空腹ではなかったとしても、赤ちゃんの健康のためにいつも通り食事をしてください。

おわりに:飛行機の搭乗は安定期に入ってから。旅行時の注意点を守ろう!

国内旅行であっても海外旅行であっても、移動手段や旅行先によっては妊娠中の旅行が難しかったり、注意点がたくさんあったりします。自分がいま妊娠何週目なのか、旅行先はどんな食べ物や医療機関があるのかなどをしっかり把握し、必要な準備をした上で旅行を思いっきり楽しんでください。

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