妊娠
妊娠中に水泳がおすすめなのはなぜ?妊婦さんが泳ぐときの注意点は?
2020年4月20日
妊娠中に水泳がおすすめな理由は?
ヨガやウォーキングなど、妊娠中でもできる運動はたくさんありますが、そんな中でも水泳がおすすめな理由について以下で詳しく解説していきます。
負担を減らせる
水中では体にかかる重力が地上の10分の1になるので、体が軽くなったように感じ、無理なく運動できるので、定期的な運動を続けやすいです。
また、関節にかかる負担が軽くなり、ケガをしにくくなります。
むくみと血流の改善
プールに入ると、体液は水圧で細胞組織から静脈に戻され、腎臓で尿として排出されやすくなります。また、水圧で血液循環が促され、下肢に血液がたまりにくくなります。
これらの作用はむくみの改善と血流の改善につながります。
分娩が楽になる
水泳で筋力を維持し、持久力を高めることは、出産が楽になることが期待できます。
痛みの軽減、体重コントロール
水泳には
- 坐骨神経痛を和らげる
- カロリーを消費することで適切な体重を維持できる
といったメリットがあります。
妊婦さんは、いつ頃から水泳を始められる?
妊婦さんは、一般的に妊娠初期や臨月の時期を避ければ、水泳をしてもかまいません。
切迫早産などで医師から安静の指示が出ている場合を除けば、妊娠5~8か月頃に水泳をするのは問題ないのでしょう。
むしろ、水泳は関節に無理な負担をかけずに適度な運動ができるため近年ではマタニティスイミングなども盛んに行われるようになっています。
ただし、無理な水泳は避ける必要があります。お腹の張りや痛み、疲れなどを感じたときは水泳を中止してゆっくり休むようにしましょう。
妊娠中の水泳で気をつけることは?
水泳は妊婦さんへの負荷が少ない安全な運動ではありますが、以下の点には注意しましょう。
プールにはそっと入る
急にプールに入るのは、体にとってあまり良くありません。プールにはそっと入るようにしましょう。当然ですが、飛び込みは絶対にしないでください。
息を止めない
お腹の赤ちゃんの成長には酸素が必要です。急激な心拍数の上昇を避けるためにも、きちんと息継ぎをし、呼吸が途切れないようにしてください。
プールサイドは慎重に歩く
お腹に赤ちゃんがいることで重心の位置が変わっているため、妊婦さんは転びやすい状態です。プールサイドやロッカールームなどの滑りやすい場所を歩くときは特に注意しましょう。
妊娠中におすすめの水泳メニュー
「ほとんど泳いだことがない」という初心者の方から中・上級者の方まで、妊婦さん向けの運動メニューをご紹介します。
初心者向け
始めのうちはできる範囲の楽なメニューから始め、最終的には週に3〜4日、1日30分間の水泳ができるようになることを目指しましょう。
泳ぐときは、息が切れない程度のペースを維持するように心がけてください。
「ただ泳ぐだけだと少しつまらない」という方は、以下のメニューから好きなものを3つ選び、それぞれ10分ずつ行って計30分間運動しましょう。
- 平泳ぎでプールの端から端まで行き、クロールで戻ってくる
- 背泳ぎ(1回水をかいて腕を入れ替えるのではなく、2回かいてから腕を入れ替える)
- 全速力で泳ぎ、息が正常に戻るゆったりしたペースで泳いで戻ってくるのを繰り返す
- バタ足とカエル足を練習する(ビート板を持ってバタ足で行き、カエル足でスタート地点まで戻る)
中級者・上級者向け
水泳の中級~上級者の方は、1,500m以上泳いでもかまいません。泳ぎ方にも制限はないので、好きな泳法をえらびましょう。ただし、息切れしないペースで泳ぐことは初心者と変わらないので、息切れしないペースを守るように十分に注意してください。
中級〜上級者の人は、下記のメニューを実践してみましょう。
- 適度なペースで約90mを5セット泳ぎ、セット間で10~20秒の休息をとる。終わったら、1分間休憩してストレッチする
- フォーム重視で約45mを6セット泳ぎ、セット間で20〜30秒の休息をとる。終わったら1分間休憩する
- スピード重視で、約90mを10段階中8くらいの力で10セット泳ぐ。セット間で10〜30秒の休息をとり、終わったら1分間休憩する
- ビート板を持って、キックだけで4往復する
- ビート板を置き、ゆったりしたペースでさらに4往復してクールダウンする
こんなときはすぐに水泳を中止しよう
健康状態にかかわらず、妊婦さんの場合は水泳中に痛みを感じることがあります。もしも水泳中に下記のような症状が出たら、すぐに泳ぐのをやめて病院を受診しましょう。
- 鋭い痛み
- 息切れ
- めまい
- 腟からの出血
- 子宮の収縮
- 胎動が感じられなくなる
また、混雑しているプールは感染症や人とぶるかるリスクがあるため、なるべく避けるようにしましょう。
おわりに:水泳には妊婦さんにとってたくさんのメリットがある
ウォーキングは手軽で効果的な運動ではありますが、身体が重くなった妊婦さんにとっては動きづらいというデメリットがあります。
でも水泳なら、重さが気にならないだけでなく、むくみの改善から出産時のための筋力維持まで期待できます。
安定期に入るまではいずれの運動も無理して行わないほうがよいですが、体調の良いときは、上記でご紹介したメニューを参考に、水泳を始めてみてください。