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妊娠初期にレントゲン撮影すると赤ちゃんに影響する?

2019年8月6日

妊娠初期のレントゲンが胎児に影響を与える可能性は?

妊婦がレントゲン撮影のために放射線の一種であるX線を浴びることによる赤ちゃんへの影響は、赤ちゃんの発育段階や放射線量によって違ってきます。

妊娠初期の放射線被ばくによって考えられる赤ちゃんへの影響としては、以下のようなものがあります。

・妊娠超初期(0~9日まで)・・・流産の可能性あり

・妊娠初期(4~19週まで)・・・奇形や、精神発達遅延が生じる傾向あり

しかしながら、国際放射線防護委員会(ICRP)の発表によると、100mgy以下の被ばく量であれば、赤ちゃんが放射線を浴びても特に問題は出ないとしています。

また、公益財団法人日本放射線技術学会からは、通常のレントゲン撮影において対象者が100mgyを超える放射線量を浴びることは「極めてまれ」とも報告されています。

上記から、レントゲンを1度取るために浴びる放射線量であれば、赤ちゃんが被ばくして健康被害を受ける可能性はかなり低いといえるでしょう。

もし、妊娠に気づかないような妊娠超初期の段階でレントゲンを撮影してしまっていたとしても、赤ちゃんへの影響はほとんどありませんので、安心してくださいね。

妊娠初期に胸のレントゲンを撮っても大丈夫?

レントゲン撮影をする目的によっても変わってきますが、一般的に妊娠初期にレントゲンを撮影することが想定される部位とそれぞれの被ばく量目安は、以下の通りです。

・頭部 … 0.01mgy

・胸部 … 0.01mgy

・腹部 … 1.4mgy

・腰部 … 1.7mgy

・骨盤 … 1.1mgy

※「mgy」=「ミリグレイ」と読み、放射線がものに対して与えるエネルギー量を表す単位です。赤ちゃんへの被ばく量を表す際に一般的に使用されます。

上記から、レントゲンを1枚撮影することによって赤ちゃんが放射線被ばくすると考えられる量は、影響が懸念される100mgyよりもはるかに少ないことがわかりますね。

また、赤ちゃんの被ばく量はレントゲンの撮影部位によって変わるというわけではありません。
子宮から遠い頭部でも、子宮に非常に近い骨盤の撮影でも赤ちゃんへの被ばくリスクは変わらず、全体として被ばく量が100mgyを超えなければ問題ないといわれます。

妊娠初期のレントゲン撮影はどうやってするの?

妊娠初期のレントゲン(X線)撮影では、X線を遮断する鉛の入ったプロテクターを使い、撮影箇所以外の身体の部位を保護するのが一般的です。
撮影する部位に応じてプロテクターのサイズやかたちはさまざまですが、鉛の入ったスカート・エプロン・防護服などを着用してから、レントゲン撮影を行います。

レントゲン撮影時に妊娠の超初期・初期の可能性がある場合は、事前に病院側にその旨を伝えておけば、配慮してもらえますので相談してみてはいかがでしょうか。

おわりに:妊娠初期のレントゲン撮影で赤ちゃんに影響が出る可能性はかなり低い

妊娠中、特にまだ赤ちゃんの状態が安定していない妊娠超初期・初期のレントゲン撮影では、赤ちゃんに被ばくの影響が出ないか心配になってもおかしくありません。しかし、1枚のレントゲン撮影での赤ちゃんの放射線被ばく量は、影響が出る目安と言われる100mgyよりはるかに少ないです。このため、妊娠初期であっても、通常の検査の範囲内でレントゲンによって赤ちゃんに健康被害が出ることはほとんどないので、安心してくださいね。

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