妊娠
性病が原因の血尿と他の病気が原因の血尿は、何か違いはあるの?
2023年2月15日
性病(性感染症)が原因で残尿感や血尿が出ることはある?
基本的には、性病(性感染症)によって残尿感や血尿が出ることはそこまで多くありません。性病からくる泌尿器の症状はどちらかというと、尿道のかゆみや尿道からの膿、排尿痛などの場合が多いです。具体的には、淋病やクラミジア、カンジダ、トリコモナスなどの性病の可能性があります。
- 淋病
- 淋菌の感染による性病の一種です。性行為を通じて性器や咽頭に感染することがあり、女性の場合や咽頭感染の場合は症状が出ないことが多いですが、男性の場合は激しい排尿痛や尿道からの白っぽい膿、かゆみ、副睾丸の腫れといった症状が出るのが特徴です。
- クラミジア
- クラミジア・トラコマティスという病原菌の感染によって起こります。感染しても男女とも半数以上は無症状ですが、男性の場合は排尿時の軽い痛みや尿道のかゆみ、尿道からの透明〜乳白色の膿が、女性の場合はおりものの増加や性交痛、下腹部痛などがみられることがあります。
- カンジダ
- カンジダ属の真菌(カビの一種)が原因で起こる性器感染症です。カンジダ菌は健康な人の腟や腸内にも保有されていることのある常在菌の一種で、特に女性は性行為をしなくとも、体調を崩したときに発症することがあります。
男性に症状が出ることは少ないですが、女性の場合はカッテージチーズ状の白いカスのようなおりものや性器のかゆみ、性交痛や排尿障害が引き起こされることがあります。 - トリコモナス
- トリコモナス原虫という微生物の感染によって起こる性病の一種です。男性は無症状のことが多いですが、感染すると尿道からの膿や軽い排尿痛に見舞われることがあります。また女性は、悪臭の強いおりものや性器の強いかゆみが特徴です。
性病が原因の血尿には、どんな特徴がある?
性病を引き起こす病原体の中には、尿道を介して尿路内に感染し血尿を引き起こすものもあります。性病によって生じる血尿は、排尿時に痛みがあるのが特徴であり、尿の中に膿が混じっていたり、排尿時以外にも膣や陰茎から不快な匂いのする分泌物が出るなどの症状が見られることもあります。
血尿以外にも生殖器に関連した症状がある場合には、性病が原因の血尿の可能性が高いので泌尿器科や婦人科を受診することをおすすめします。
男性で血尿と残尿感がある場合、どんな病気の可能性がある?
- 慢性前立腺炎
- 20〜40代の若い男性に多く見られる病気で、残尿感や頻尿などの排尿障害、排尿痛や射精時の痛み、尿道や会陰部の不快感などが主な症状です。飲酒や過労、長時間の座りっぱなしなど、さまざまな原因で起こることがあります。
- 前立腺肥大症
- 50代以降の男性に多く見られる病気で、残尿感や尿の勢いが弱いといった排尿障害、頻尿などの症状がみられます。原因はよくわかっていませんが、中高年になり男性ホルモンのバランスが崩れたことで前立腺が肥大するものと考えられています。
女性で血尿と残尿感がある場合は?
- 膀胱炎
- 尿を溜める臓器・膀胱の粘膜に炎症が起こる病気で、残尿感や頻尿、排尿痛、尿のにごり、血尿などが主な症状です。特に女性の発症率が高く、疲労やストレスによる免疫力の低下がきっかけの細菌感染、排尿の我慢などが原因で起こると考えられています。
女性の残尿感の原因は膀胱炎のことが多いですが、他にも骨盤底筋群の衰えからくるものや過活動膀胱、心因性頻尿、子宮脱などが原因で起こることもあります。
血尿を引き起こす病気には、どんなものがある?
- 膀胱炎
- (「残尿感の原因:女性の場合」の項をご参照ください)
- 結石
- 腎臓や膀胱、尿管などの尿路にできた結石が原因で、尿の通り道が傷つき、血尿が起こることがあります。多くの場合は顕微鏡でないと確認できないレベルの血尿ですが、特に尿管結石の場合は、肉眼で確認できるレベルの血尿や、脇腹や下腹部、腰にかけての激しい痛み、吐き気などに見舞われます。
- 腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん
- 腎臓や膀胱がんになると、初期症状として血尿が現れることがあります。これらのがんは進行すると排尿痛や頻尿、膀胱の痛みなどを引き起こすようになり、徐々に倦怠感などの全身症状に移行していきます。一方、前立腺がんの場合はある程度症状が進行すると血尿が現れるようになります。
おわりに:性病の症状は、排尿痛や尿道からの膿などが一般的
基本的に性病の泌尿器症状としては、排尿痛や尿道からの膿、かゆみなどが特徴のことが一般的です。残尿感や血尿などの症状は、膀胱炎や前立腺炎、尿管結石など別の病気のサインの可能性があるので、一度泌尿器科を受診されることをおすすめします。