妊娠
妊娠の流れ(排卵から着床までの日数)と妊娠しやすいタイミング
2023年2月15日
排卵から着床までの日数はどのくらい?
妊娠は、精子と卵子が卵管で受精卵となり、受精卵が子宮へと移動して子宮内膜に根付いて着床することで成立します。一般的に、それぞれ卵子の排卵から受精までが1日、受精卵が子宮まで移動するまでが7日、着床完了までには5日程度の日数がかかるといわれています。
つまり、排卵から受精・着床して妊娠に至るまでにかかる日数を合計すると、わずか2週間程度ということになります。
妊娠の流れ1:生理後に排卵が起こる
排卵から妊娠成立までにかかる期間がわかったら、ここからは、段階ごとの妊娠の流れや仕組みについて、もう少し具体的に見ていきましょう。
妊娠可能な状態まで成熟した卵子が、卵巣から出てくることを「排卵」と言います。
女性の卵巣は子宮の左右に1つずつの計2つあり、それぞれには卵子のもととなる原始細胞と、これらを包む卵胞という組織が備わっています。毎月左右どちらかの卵巣で20個ほどの原始細胞が卵子へと成長を始め、そのうち最も大きく、成熟した1つが卵巣の外に出されて起こるのが排卵です。
排卵は通常周期的に行われ、一般的には月に1回、前回の生理開始日から14日後に起こります。
卵子のもととなる原始細胞の数には限りがあるため、女性が妊娠のために卵子をはぐくみ、排卵できる回数には限りがあるといわれています。
妊娠の流れ2:受精する
排卵後の卵子と射精後の精子の受精可能な時間から、受精にかかる時間を考えていきましょう。卵子と精子、それぞれの受精可能な期間は、以下の通りです。
卵子排卵されてから8時間以内精子射精されてから活動停止までの2~3日以内
なお、排卵された卵子は卵巣近くの卵管にとどまっています。
受精のために精子は
- 子宮口
- 子宮頚管
- 子宮内腔
- 卵管
を通り抜けて、卵子にたどり着かなくてはなりません。
つまり、受精に必要な時間と条件は、以下の通りとなります。
- 排卵から受精までに必要な時間
- 排卵から8時間以内
- 受精成立のための条件
- 排卵から8時間以内の卵子のもとに、射精から2~3日以内の精子がたどり着くこと
上記から妊娠、ひいてはそのための受精を成功させるためには、排卵のタイミングを知ることがとても重要であると理解しておいてください。
妊娠の流れ3:子宮への移動が始まる
受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管のなかを移動し、3~4日かけて子宮に到達します。
子宮に入った後1~2日(受精から5~6日後)の間は、子宮内に浮いた状態で子宮内膜を20㎜前後厚くして、着床できるように子宮内の環境を整えていきます。
また、この間には細胞分裂のスピードも調整して、受精卵にとって最も良いタイミングで着床に入れるように準備をすすめます。
妊娠の流れ4:子宮内膜に着床する
子宮内で浮遊して着床の準備が整うのを待つこと約2~3日、受精から6~7日程度たった頃、ついに受精卵は子宮内膜への着床を開始します。
子宮内膜の準備が整ったという信号を受信した受精卵は、透明な膜を破って子宮内膜に接触し、細胞分裂によって作られた桑実胚と胚盤胞から子宮内膜に入っていきます。
こうして受精卵が完全に子宮内膜に埋まった状態となり、着床によって傷ついた子宮内膜が修復されると、着床が完了して妊娠が成立します。
着床開始から終了までは約5日、受精から数えると12~13日程度かかり、さらに検査薬で妊娠反応が出るようになるのは、着床終了から10日程度と言われています。
妊娠しやすいタイミングはいつごろ?
妊娠しやすいタイミングは排卵予定日の前後2~3日ほどの期間です。
性周期が28~30日の方は生理開始日からちょうど2週間ほど経過した日が排卵予定日ですので、妊娠を希望する場合はその時期に性交渉を持つとよいでしょう。
また、より確率をアップさせるには、基礎体温の計測を行いましょう。生理開始から14日ほどは低温期が続き、排卵日に一旦ガクンと体温が低下し、その後高温期が続きます。普段から基礎体温を記録して自身の性周期のパターンを把握し、排卵日の2~3日ころにタイミングを取るとよいでしょう。そのほか、市販の排卵検査薬を使用するのも一つの方法です。
おわりに:排卵から着床まではだいたい2週間くらい
妊娠は、卵子と精子が出会って受精卵となり、受精卵が子宮内膜に埋没して着床することで成立します。排卵からわずか8時間という受精可能な期間も、妊娠成立までかかる2週間という期間も、新しい命を授かる過程としてはとても短く感じます。
妊娠するために最適なタイミングを知って、妊娠のチャンスを逃がさないためにも、この記事から妊娠の流れやメカニズムについてきちんと理解しておきましょう。