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橋本病の人が妊娠を希望するときに取り組むべきことは?

2023年1月25日

橋本病の人が妊娠した場合に想定されるリスクは?

潜在性甲状腺機能低下症を含んだ甲状腺機能低下症があると、不妊・流産・早産・妊娠高血圧症候群になる確率が高くなるため、妊娠前から甲状腺機能を正常化させることが大切です。また、妊娠中は甲状腺ホルモンの必要量が約1.5倍になるため、甲状腺ホルモン薬の服用を開始したり増量することでホルモンの不足を補う必要があります。

ちなみに、橋本病による甲状腺機能低下には、潜在性甲状腺機能低下症と甲状腺機能低下症があります。
症状の特徴を以下で紹介するので、基礎知識として覚えておきましょう。

潜在性甲状腺機能低下症の症状

甲状腺ホルモン量は基準範囲内ですが、TSH(甲状腺刺激ホルモン)が上昇しており、その人に必要な甲状腺ホルモン量が足りないことが予想される状態となります。

  • 皮膚の乾燥
  • 倦怠感
  • 記憶力や認知機能の低下
  • 抑うつ

などの症状が起こることがあります。

甲状腺機能低下症の症状

血液中の甲状腺ホルモン量が大幅に不足している状態です。
新陳代謝の低下により

  • 無気力
  • 頭の働きが鈍くなる
  • 忘れっぽくなる
  • 冷え性
  • 皮膚の乾燥
  • むくみ
  • 抜け毛
  • 眠気

などの症状が起こることがあります。

橋本病の人が妊娠を希望する場合、目標となるTSHの数値は?

甲状腺機能の管理は、TSH(甲状腺刺激ホルモン)の数値を指標にして行われます。
TSHの指標は、報告によって異なりますが

  • 妊娠前~妊娠初期(13週まで):TSH<2.5μU/ml、
  • 妊娠中期(14週~):TSH<3.0μU/ml

とされています。

甲状腺ホルモン剤って、胎児への影響はないの?

妊娠中でも、甲状腺ホルモン剤の服用量を調整し、ホルモン不足にならないように注意をしていれば、妊娠に大きな影響を与えることはありません。また、甲状腺ホルモン剤は胎児に悪影響を与えることはないと考えられていて、奇形の心配もないとされています。
一般の妊婦と比較するとわずかに流産・早産の確率が高くなる可能性はありますが、甲状腺機能が正常にコントロールされている限り、まず問題はありません。妊娠中は、TSH2.5μU/ml以下を目標に治療を進めていくのが一般的です。

おわりに:妊娠前から甲状腺機能をコントロールする事が大切

甲状腺機能低下症があると、不妊・流産・早産・妊娠高血圧症候群などのリスクを高めてしまうため、妊娠前から甲状腺機能を正常化させることが必要になります。そのためには、医師の管理下のもと甲状腺ホルモン薬の服用をして、甲状腺機能を正常にコントロールする事が大切です。

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