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こわい受動喫煙~タバコの煙が人に与える影響~

2022年8月24日

喫煙が妊婦や乳幼児に与える健康リスク

定期的に副流煙を吸う人は、肺がんや心臓病という喫煙者と同じような病気を発症するリスクが高くなります。
妊娠中に受動喫煙にさらされた妊婦は早産の傾向があり、低出生体重児や乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクも高くなります。煙がたちこめる家に住む子どもは、呼吸障害や喘息、アレルギー症状を発症する確率が高くなります。

喫煙者ができること

喫煙者が副流煙をほかの人に吸わせないようにする唯一の確実な方法は、タバコのない環境をつくることです。そのためには完全に禁煙するのが一番の方法です。しかし禁煙する準備ができていない人は、子どもやほかの人からタバコの煙を遠ざけるよう屋内や車内で喫煙しない配慮が必要です。

受動喫煙の健康リスク

副流煙には4,000以上の刺激物、毒素および発がん性物質を含む毒性の強い物質が含まれています。ほとんどの副流煙は目に見えず無臭ですから、どんなに注意していても周辺にいる人は有毒物質を吸いこんでしまいます。窓やドアを開けたり、別室でタバコを吸っても周囲の人を守ることはできません。
タバコを吸い終えた後に窓を開けていても、吸ってから2~3時間は煙が空気中に残っています。たとえタバコを吸う部屋を1カ所に絞っても、ほかの部屋に広がる可能性は残っているのです。

受動喫煙が子どもに与える影響

子どもにとって受動喫煙が有害な理由は、子どもは気道や肺、免疫システムが十分に発達していないからです。その結果、以下のような疾患にかかりやすくなります。

  • 喘息(ぜんそく)
  • 肺炎や気管支炎のような胸部感染症
  • 髄膜炎
  • 耳の感染症
  • 風邪

自家用車の中の副流煙は、子どもはとても影響を受けやすく、窓を開けていたとしても危険なレベルの濃度になることがあります。車内で喫煙すると、煙が充満した酒場の中にいるときより11倍も高い濃度の毒素を作り出すと推定されています。

電子タバコの受動喫煙の健康リスク

電子タバコはタバコの煙が発生しないので、普通のタバコで生じる受動喫煙のリスクはありません。この分野に関する研究は現在も続いていますが、電子タバコは大気中にごくわずかなニコチンを放出すると考えられています。
そして現時点で電子タバコの利用は限定的であるものの、そばにいる人への受動喫煙のリスクは普通のタバコより小さいことが明らかになっています。
しかしながら、電子タバコでもニコチンが入っているということは、受動喫煙のリスクはなくても普通のタバコのニコチンと同じ害をもっているということです。

ニコチンの害

  • ニコチン依存症
  • 動脈硬化の促進
  • 血中コレステロールの酸化
  • 脂質異常症
  • 女性や妊娠中または妊娠の可能性のある女性では女性ホルモン分泌低下
  • 胎児の成長異常

禁煙するには禁煙外来に相談するのもおすすめ

ほんとうに禁煙を考えているなら、医師に相談してください。禁煙治療に保険が使える「禁煙外来」をもつ病院は全国にあります(参考:http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html)。

おわりに:禁煙で周囲の人の健康を守ることができる

喫煙はタバコを吸う人だけでなく、受動喫煙によって周囲の人にも健康リスクを与えます。妊婦さんやお子さんがいる家庭では、受動喫煙の健康リスクを理解し、禁煙を目指すことが安心ですよ。

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