子育て
赤ちゃん・小さな子どもの下痢・おう吐による脱水症について
2025年7月30日
赤ちゃんや小さな子どもは、下痢やおう吐を起こすことが多いです。下痢やおう吐の多くは問題がないものですが、赤ちゃんや小さな子どもは健康な大人に比べて脱水症のリスクが高いといわれています。この記事では、赤ちゃん・小さな子どもの下痢・おう吐による脱水症の症状と、脱水症の予防、医療機関の受診の目安について解説していきます。
赤ちゃん・小さな子どもの脱水症の症状
赤ちゃんや小さな子どもは、下痢・おう吐を頻繁に起こします。赤ちゃんや小さな子どもの下痢やおう吐でも、特別な治療の必要がないものが多く、自宅で目を離さずに面倒をみてあげれば次第に回復していきます。しかし、赤ちゃんや小さな子どもは脱水症になりやすく、脱水症により深刻な状態に陥るリスクがあります。以下のような症状は脱水症による症状・兆候の可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 目がくぼんでいる
- 赤ちゃんの場合、頭にやわらかくへこんだ部分(泉門)がある
- 泣くときに涙が出ていない、涙がほんの少ししか出ていない
- ドライマウスになっている
- おむつがあまり濡れていない
- 尿の色が濃い黄色をしている など
下痢・おう吐による脱水症の予防対策
下痢・おう吐があるときには、水分・電解質を適切に補給し、脱水症を予防することが大切です。可能であれば、経口補水液を少しずつすするように飲ませてください。水分をとってくれないときは、アイスやゼリー飲料などを与えてもいいでしょう。下痢やおう吐が止まったら、少しずつ通常の食事に戻してください。最初は、体にやさしいバナナ・おかゆ・リンゴペーストなどから始めていきましょう。
赤ちゃんの下痢・おう吐の医療機関の受診について
一般的には、おう吐は1日~2日程度、下痢は5日~7日程度続き、さらに長引くこともあります。症状が長引いている場合や回復がみられない場合、脱水症の症状・兆候がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。なお、以下のような症状がある場合は、早急に受診してください。救急車を呼んでもかまいません。
- 触れたり、音がしたりしても反応しない
- 皮膚をつねっても、なかなかもとに戻らない
- 呼吸が早い
- 混乱状態である
また、以下のような症状の場合もすぐに受診してください。
- 症状が悪化している
- 生後3ヶ月は38度を超える熱があった場合。生後3~6ヶ月は39度を超える熱がある場合(生後6ヶ月以上の場合は、発熱が重篤であるという指標とならない場合がある)
- 便に血・粘膜が混じっている場合
- おう吐物が胆汁色(緑色)である
- ひどい腹痛がある(痛がって泣いている)
赤ちゃんや小さな子どもが脱水症になった場合には、基本的に点滴治療が必要になります。点滴治療は失われた水分や電解質を補給するための治療であり、重症度によっては入院して点滴治療を継続的に行うこともあります。
おわりに:赤ちゃんの下痢・おう吐では脱水症に注意。必要に応じて医師に相談を
赤ちゃんや子どもの下痢や嘔吐では、脱水症の予防と症状・兆候に注意することが大切です。赤ちゃんや小さな子どもは、自分の状態をこまかく伝えることができないため、ちょっとした変化にも気を配るようにしてください。不安がある場合は、かかりつけの医療機関や医師に相談してもいいでしょう。