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プレドニン®︎が処方されるのはどんな症状のとき?
2024年10月30日
プレドニン®︎ってどんな薬?
プレドニン®は、腎臓の上にある副腎から放出されるホルモン「ステロイドホルモン(別名・副腎皮質ホルモン)」の作用を代替し、炎症や免疫を鎮める薬です。
いわゆるステロイド薬に分類される薬で、以下のような病気の治療薬として処方されます。
プレドニン®が治療薬として処方される疾患の例
- 喘息や湿疹、アトピー、結膜炎、鼻炎など、重篤なアレルギー性の炎症疾患
- 膠原病、リウマチ、ネフローゼ、潰瘍性大腸炎など免疫機能の異常が原因で起こる疾患
- アジソン病など、副腎皮質の深刻な不足を招くような慢性副腎不全
- 白血病や多発性骨髄腫、血液癌などの血液の病気
- 腫瘍や鎮痛、がん治療薬への副作用や拒絶反応の抑制
- その他メニエル病、突発性難聴、顔面神経痛、重症筋無力症 など
ステロイド薬のなかでも標準的な効き目、持続時間を持つプレドニン®は、古くから幅広い診療科で治療薬として用いられてきました。
プレドニン®︎の気になる副作用は?
ステロイド薬であるプレドニン®の飲み始めに見られる副作用として、以下のようなものがあります。
飲み始めに現れやすい副作用
イライラ、不眠などの神経症状、または下痢や吐き気、食欲増進などの消化器症状
また、長期にわたりプレドニン®の服用を続けていると、人によっては肌荒れやむくみ、脂肪沈着による顔や胴体の肥満、生理不順などの症状が現れます。プレドニン®などステロイド系の薬は、服用する期間が長くなればなるほど、服用量が多くなればなるほど、さまざまな副作用が現れやすくなるのが特徴です。
特に服用量が30mgを超えると以下のような重篤な副作用が起こる可能性が高くなるため、医師の判断によっては入院治療が必要になります。
プレドニン®服用で現れ得る重篤な副作用
- 発熱や倦怠感、息苦しさやのどの痛み、皮膚の出来物を伴う重い感染症
- のどの渇きや肥満、食欲増進、倦怠感、吐き気などを伴う副腎不全、または糖尿病
- 胃痛、吐き気・嘔吐、吐血、下血を伴う消化管潰瘍や胃腸出血
- 吐き気や嘔吐、上腹部から背中にかけての激しい痛みを伴う膵炎
- 気分が落ち込む、やる気が出ない、不安、不眠などを伴う抑うつ状態
- 骨の脆弱化、背中や足腰の痛み、頻繁な骨折を伴う骨粗鬆症
- 見えにくさやかすみ目、視力低下を伴う緑内障や白内障
- 手足の腫れやむくみ、しびれや息苦しさ、突然の体調不良や麻痺を伴う血栓症
ただし、上記のような重篤な副作用が出るケースはまれと言われています。プレドニン®服用による副作用への不安点があるなら、あらかじめ医師に相談し、ある程度解消しておきましょう。
プレドニン®︎を飲むときに気をつけることは?
以下の条件に当てはまる人は、プレドニン®の服用により治療中の病気症状が悪化したり、副作用が現れやすくなる可能性があります。
プレドニン®の服用にあたり、注意が必要な人の特徴
- 全身の真菌症や結核、単純疱疹製角膜炎など有効な抗生物質がない感染症である
- 水ぼうそう、またははしかにかかった経験がなく、これらへの予防接種も受けていない
- 何らかの型の肝炎ウイルスを保有している
- 病気治療のために、手術を受けた直後である
- もともと胃潰瘍、精神疾患、緑内障、白内障、高血圧、電解質異常、血栓症、心臓病、糖尿病、骨粗鬆症の持病がある
アレルギーや持病がある場合はあらかじめ医師にその旨を伝え、副作用や服用上のリスクについてきちんと説明を受けたうえで、慎重にプレドニン®を使用してください。
また、以下のような薬と併用すると、プレドニン®と作用し合って薬の効果が減退したり、思わぬ副作用が現れる可能性が高くなるので、注意が必要です。
プレドニン®との飲み合わせに注意が必要な薬
抗けいれん薬のフェノバルビタール、フェニトイン、結核薬のリファンピシン、抗凝血薬のワルファリン、アスピリン、糖尿病治療薬、利尿薬、生ワクチン
副作用や飲み合わせについて気になることがある場合は、自身の体質のこととあわせて相談し、用法・用量を守ってプレドニン®を服用しましょう。
おわりに:プレドニン®はアレルギー、または副腎がかかわる疾患の治療薬として処方されることが多い
炎症や免疫機能の過剰反応を抑える作用のあるプレドニン®は、主にアレルギーや免疫系の疾患、副腎皮質ホルモンの影響で起こる疾患の治療薬として処方されます。ステロイド薬に分類され、幅広い診療科で使われているのが特徴です。副作用は利用期間が長期になるほど、服用量が増えるほど重篤になりやすいため、服用する期間・量によっては、入院が必要になることもあります。医師からの説明をよく理解し、用法・用量を守って服用しましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。