子育て
大人なら知っておきたい“怒り”をコントロールするコツ
2024年8月28日
“怒り”を感じる理由
子供のコンサルタント及び思春期の精神科医であるジェームズ・ウーラード博士は、人々が怒りについて語るとき、実際には攻撃性を意味していることがあるといいます。
博士によると、怒りを経験したり怒りの感情を表したりするのは、何かに対して恐れや脅威を感じ、それに対処するための戦闘体勢をとろうとするからだというのです。そのため、「自分は何を怖いと感じているのか」と自問をすることで、その後の対処法が異なります。
たとえば、あなたが自分の思う通りに仕事が進まないために怒っているとしましょう。そこで怒りの原因を考えたところ、「納期に遅れて上司から叱られたくない」「周りから仕事ができないと思われるかもしれない」といった恐れがあることに気づいたとします。この、怒りの奥にある感情を認識することが怒りをコントロールする上で重要なのです。この認識によって、恐れを解決するために取るべき考えや行動は「怒ることではない」と考えられるようになるからです。
“怒り”をコントロールするには
意外に思うかもしれませんが、怒りを制御するには自身の感情や反応をより意識することが大切です。「自分はどのようなときに怒りを感じるのか、悲しい気持ちになるのか、あるいは嬉しくなるのか」など、自分の傾向性を知っておくことが情緒的健康をより良く管理する助けとなるからです。人生における悲しみ、欲求不満、怒りの理由を特定し、それらに対処することを学びましょう。また、ついカッとなりそうなときは以下の実践的な方法を試して“怒り”に対処してください。
心の中で10までかぞえる
10まで数える間に冷静になる時間が得られれば、より明確に考えることができ、衝動的な行動を克服する助けとなるでしょう。
深呼吸をする
息を吸い込むときよりも吐き出すほうを長くし、吐き出す時にリラックスすることがポイントです。怒っているときには息を吐き出す時よりも吸い込むときのほうが長くなっているので、意識的に息を吐き出すほうを長くしすることで効果的に落ち着きを得られますし、冷静な判断を下すことにも役立ちます。
感情を安定させるためのコツ
怒りの他にもネガティヴな感情が出てくることがありますよね。それらの感情を制御しやすくするために、以下のような方法をご紹介します。
信頼できる人に話してみる
悲しみや怒りの感情を自分の内側に抑えこんだままでいると、何かが引き金となったときに溜めた感情を放出してしまい、そのことで職場や学校での人間関係において問題を引き起こす可能性もあります。そうならないためにも、悩んでいることがあるときは心許せる人に自分の気持ちを話すことが重要です。
行動する前に考える
感情に走って後悔するかもしれないことを言ったりやったりする前に、10秒ほど考える時間を持ちましょう。そうすれば、ほとんどの場合は衝動的な行為をするまでもないことに気づけるはずです。子どもを叱ろうとしたとき、パートナーに不満をぶつけそうになったときも、まずは10秒考える時間を取ることを意識してみましょう。
自分が楽しめることに注意を向ける
ご自身が楽しむための時間を意識的に作り、人生の中のポジティブなことに注意を向けるようにしましょう。育児中は自分のための時間をとっていいのかな……と考える人もいますが、大人にとっても自分の時間は大切です。パートナーや家族と協力しながら、自分の時間を確保してくださいね。
体の健康を守る
身体的な健康は情緒的健康に関連していることがあります。「最近落ち込みやすい・イライラしやすいのはどうして?」という悩みの原因は、実は不摂生や寝不足などで単に体が疲れているから……というケースはよくあることです。家事や育児、仕事の合間に運動やストレッチを取り入れる、健康的な食生活を送る、十分な睡眠を取るなど、体を労わりましょう。
おわりに:自分の“怒り”と上手く付き合うために
怒りが湧いてきたときは、その奥にある感情は何なのかということを自問しましょう。それに対する解決法を考えて実行することで、解決に向けて有効な対処ができます。衝動に任せた言動や行動をする前に10秒で良いので考える時間を持つことも、怒りをコントロールするのに役立ちます。
また、嫌なことや悲しいこと、腹立たしいことがあった場合は親しい友人や信頼できる人に話して、感情を溜め込まないようにしましょう。