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糖尿病神経障害は糖尿病の合併症の中で発症率が一番高い?

2023年12月27日

糖尿病神経障害とは?

糖尿病の三代合併症と言われるのが、「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」、そして「糖尿病神経障害」です。このうち最も発症率が高いのが糖尿病神経障害で、糖尿病の患者さんの約4割が発症します。

糖尿病神経障害に気づかずに放置すると、最悪の場合は、足の切断をしなければならないこともあります。糖尿病の中で最も多い合併症ですが、軽視されやすく発見が遅れることも多いので注意が必要です。

糖尿病神経障害の代表的な症状について

糖尿病性神経障害の症状は、大きく分けると感覚障害と自律神経障害があります。

感覚障害の初期症状では、足の末梢神経が障害されて、足先や足の裏にしびれや痛みを感じたり、こむらがえり(足がつる)がおこります。これにより、転倒して骨折することも少なくありません。

感覚障害が進行すると感覚が鈍くなってきて、痛みに気がつきにくくなります。そのため、ケガややけどをしていても気がつかず、細菌感染によって壊死を起こしたり、潰瘍になったりすることもあります。最悪の場合は足の切断を余儀なくされるケースもあります。

自律神経障害では起立性低血圧などでめまいや立ちくらみがおこります。進行すると無自覚の低血糖や難治性の便秘や下痢、脈拍の異常が発生することもあり、時には重症の心筋梗塞を起こして突然死の原因となることもあります。

何が原因で発症する?

糖尿病神経障害の原因としては、以下のことが考えられます。

まず、糖尿病により高血糖が続くと、細胞内にブドウ糖が多量に取り込まれた状態が続きます。すると、ソルビトール(糖アルコールの一種)やフルクトース(果糖)という物質が過剰に作られます。このソルビトールやフルクトースが神経細胞に蓄積され、神経線維に異常が生じた結果、感覚が鈍くなったり、麻痺が起きているとされています。

また、高血糖が続いたことで毛細血管の血流が悪くなり、神経細胞に必要な栄養や酸素が十分に流れないために発症するという説も有力です。いずれにせよ、高血糖の状態が続くことが糖尿病神経障害を誘発させると考えられます。血糖値を上手くコントロールすることが大切です。

糖尿病神経障害は治療できるの?

治療に長い年月はかかるものの、糖尿病神経障害はある程度コントロールが可能な症状です。

糖尿病神経障害の治療では、まず糖尿病の進行を止めることが重要です。そのために必要なのが、食生活の改善や運動療法による血糖コントロールです。その後、神経障害の原因に対する薬物療法や、痛みやしびれを緩和する対症療法を行っていきます。

対症療法では、しびれや痛みを和らげる神経障害性疼痛治療薬や、血流改善薬、不整脈薬といった薬が処方されます。ビタミン剤や抗うつ薬が有効な場合もあります。

おわりに:発症率の高い糖尿病神経障害は早期発見が重要

糖尿病神経障害は、足のしびれなどちょっとした症状から徐々に進行していくため、発見や治療が遅れてしまうケースが多いです。該当する症状が見られたら、すぐに検査を受けるようにしてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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