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ストレスの原因になるのはどんなこと?不調を乗り切るには?

2023年8月2日

ストレスの原因となるのは?

ストレスの原因には、大きく分けて以下の5つが挙げられます。

人間関係
職場やプライベートなど、人とのやり取りによって生じるストレス
仕事
残業が多い、休日がほとんどない、責任が重い、やりがいを感じられないなどのストレス
睡眠不足
仕事が忙しかったり、不安で眠れないなどで睡眠が足りないことによるストレス
性格
真面目で完璧主義、自分の感情を抑えがち、など性格的なものによるストレス
テクノストレス
パソコンや携帯電話などを長時間操作する疲れによるストレス

ストレスの原因として、最も多く挙げられるのは人間関係です。仕事でもプライベートでも、人とのやり取りはどうしても自分の思い通りにならないことの方が多く、自分が思っていたのとは違う想定外の事態が起こることも少なくありません。すると、そこにどうしてもストレスが生じます。

仕事の場合は、残業が多かったり休日が少なくてほとんど休養をとれないという身体的なストレスと、役職やポジションに対する責任が重い、逆に仕事がほとんどなくやりがいを感じられないなどの精神的なストレスの両面があります。暇が続くことも人間にとってはストレスになってしまうのです。

睡眠不足はストレスによって起こることもありますが、睡眠不足によってもストレスが生じ、さらにストレスが溜まるという悪循環に陥ってしまいます。睡眠不足で心身が十分に休まらないと、体調不良になったり集中力が途切れやすくなったりして、仕事やプライベートが上手く行かなくなり、さらにストレスが溜まってしまうのです。最悪の場合、不眠症に陥る恐れもあります。

性格が真面目で完璧主義だったり、自分の感情を抑えてしまいがちな人もストレスを溜めやすい傾向にあります。また、緊張しやすい・心配性・短気などの性格もストレスにつながりやすいと言えます。自分の思い通りにならない不満や、言いたいことを抑えるストレス、さらには緊張や心配で体がこわばることも心身に大きなストレスとなります。

最後に、現代人特有のストレスと言えるのがテクノストレスです。パソコンや携帯電話、TVゲームなどの画面を長時間見て操作していると、神経が疲れてストレスが溜まることがあります。また、SNSなどの発達によってこれらのツールを常に使っていないと人間関係や現代社会についていけなくなるという不安や焦りが精神的なストレスになることもあるのです。

これらのストレス要因は一種類だけが原因というわけではなく、たいていは数種類の要因が複雑に絡み合ってストレスとして押し寄せています。そのため、一つの原因だけを取り除くのではなく、自分の生活においてどのようなストレスがあるのか、複数の原因があることを前提に考えてみるのが良いでしょう。

不調になる人・ならない人がいるのはなぜ?

同じストレスの原因(ストレッサー)を受けても、心身への影響の仕方は人それぞれです。例えば、精神的なストレスがかかるといつも頭痛がするという人もいれば、不安やイライラなどの心理的な部分に悪影響が及ぶ人もいます。さらに、ミスや遅刻などの行動面に出やすい人、依存や自暴自棄になるなど考え方や認知にゆがみが生じる人もいるのです。

ストレスに対するこうした一連の反応を「適応反応」と言いますが、適応反応が個人で違うのはそもそも「ストレス耐性(ストレスに耐えるやり方やその強さ)」に大きく個人差があるからです。また、同じ人でも時と場合によって変わるため、日頃はストレスを感じにくいタフな人でも、大きなミスを経験した直後には自信を喪失し、些細なストレスも大きく感じてしまうようなこともあります。

近年は、企業が求める人材の条件の一つとして「ストレス耐性」が注目されています。せっかく採用しても、入社早々ストレスで辞めてしまったというケースは最近、業界を問わず増えています。そこで、ストレスに対する耐性がある程度高いかどうかを採用時に見極め、早期離職を防ごうとしているのです。

具体的には、ストレス耐性を測定できる適性検査を行う、課題達成型のグループ選考を取り入れる(問題解決能力をはかる)、仕事を実際に体験してみるインターンシップ、などを導入しています。もちろんストレス耐性は仕事との相性などもありますので、インターンシップなどで早めにわかれば、企業だけでなく労働者側にとっても大きなメリットになります

ストレス耐性はどうやって決まる?

個人差の大きい「ストレス耐性」ですが、これは以下の6つの要素によって決まります。

感知能力
ストレッサーに気づきやすいかどうか
回避能力
ストレスを感じやすい性格かどうか
処理能力
ストレッサーを上手になくしたり弱めたりできるかどうか
転換能力
ストレスがかかったとき、良い意味に捉えることができるかどうか
経験
今までどんなストレッサーにどれくらいさらされたか
容量
ストレスをどのくらい受け止めきれるか

これらのストレス耐性は、生まれ持った性格(脳機能)や環境に左右される部分と自分の意識で改善できる部分の2つがあります。そもそもの資質に左右される「感知能力」「回避能力」「容量」などは個人の努力でどうにかなる部分ではありませんが、「処理能力」「転換能力」「経験」などは努力である程度改善できる部分です。

例えば、ストレッサーを上手になくしたり弱めたりする「処理能力」は、「ストレッサーそのものを回避する」「ストレッサーを弱めるよう上手にアプローチする」などの方法で高められます。「転換能力」も、「このストレスは自分を鍛えるための良いものなんだ」と、意識を少し変えるだけで、体に及ぼす影響が良い方向に変わることがあります。

さらに、こうしてストレッサーを上手に弱めながら有効活用することができれば、「ストレスに耐えられた」という経験を積んでいけます。するとストレスに対する自信がつくだけでなく、次に同じようなストレスが来てもまた上手に処理したり、意識を転換していくことができるようになるのです。

不調の原因がストレスかも…どうすればいい?

ストレスで体調が悪くなっている場合、自分で対処する方法と周囲の人や専門家を頼る方法の2つがあります。まずは自分でできる対処法を行ってみて、それでも解決しない場合は早めに周囲の人や専門家を頼るようにしましょう。

自分でできるストレス対処法って?

自分でできる対処法は、主に以下の5つです。

  • 十分な休息をとる
  • 外出して気分転換をする
  • 深呼吸をして自律神経のバランスを整える
  • 趣味に没頭する
  • メンタルトレーニングをする

休養は重要なストレス解消法です。真面目でストレスを溜めやすい人ほど「仕事があるから」「やらなければならないことがあるから」と休養を後回しにしてしまいがちですが、体調が悪くなるほどのストレスがあるなら、まずは自分の健康回復が再優先事項です。体からのサインを無視してストレスを溜め続けると、心身を完全に壊してしまうこともあります。

スポーツや散歩、ショッピングなど、外出して気分転換するのも大切です。普段行かない場所に行くことで、体も心もリフレッシュすることができます。外出の準備をする間は少し面倒かもしれませんが、実際に出かけてみるとその面倒さを補って余りあるリフレッシュ効果が得られるでしょう。森林浴やパワースポットなど、自然に触れるのもおすすめです。

不安や緊張が続くと、神経が張り詰めてしまい、精神的に不安定な状態になることがあります。この時にじっくり深呼吸をすると、自律神経を安定させ、精神的にも落ち着いた状態に戻せます。深呼吸の方法は、「鼻から2秒大きく息を吸い、8秒間息を止め、口からゆっくりと4秒かけて息を吐く」というものです。これを2~3回繰り返すと、心身ともにリラックスできます。

好きな趣味がある人は、思いっきり趣味に没頭するのも良い方法です。好きな音楽を聴く、TVゲームをする、恋人や親友と電話でおしゃべりする、好きな本を読む、ペットと触れ合うなど、人によって方法はさまざまです。ただし、趣味は趣味でも、ストレスが溜まっている時にはなるべく力を入れずにのんびりと楽しめる趣味を選びましょう

メンタルトレーニングはマインドコントロールの一種です。自分自身と向き合い、ストレスの原因がどこにあるのか突き止めるとともに、ストレスに対する「不満・不安・怒り」などのネガティブな感情を払拭し、ストレスに対してできるだけ肯定的な解釈(「これは自分に対する修練なんだ」と思う、など)をし、ネガティブな感情をポジティブな感情に転換していく方法です。

周囲の人や専門家を頼る方法って?

周囲の人や専門家を頼る方法は、以下の3つです。

  • 家族や友人に症状を相談する
  • 病院を受診する
  • 病院で処方された薬を飲む

ストレスが溜まっていて、上記にご紹介した方法などでは対処しきれなかったときは、それ以上悩んでいても悪化するだけです。自分一人で対処できないことは、周囲の人を頼って良いのです。誰かに話すことは決して恥ずかしいことではないばかりか、話すだけでも肩の荷が下りてふっと楽になることもあります。信用できる人に素直に気持ちを話してみましょう。

心理的な部分ではなく、胃腸の痛みや頭痛など身体的に体調が悪い場合は、病院を受診することも必要です。胃腸に痛みや不調を感じる場合は「消化器内科」、頭痛なら「内科」「頭痛外来」などに行くとよいでしょう。また、心理的なものであっても症状がつらい、ひどい場合は本格的に悪化する前に「精神科」「心療内科」に行くことも大切です。

前述の消化器内科や頭痛外来などで薬を処方されたらきちんと飲みましょう。また、ストレスによって「自立神経失調症」と診断された場合、安定剤を処方されることもあります。精神科や心療内科でも、該当の症状に対して和らげる薬が処方されることもあります。もちろんこれらの薬は医師の指示を守り、用法・用量を守って正しく服用しましょう。

おわりに:ストレスの原因はさまざま。対処しきれないときは頼ることも大切

ストレスの原因は「人間関係」「仕事」「睡眠不足」「性格」「テクノストレス」と、さまざまです。たいていは一種類だけでなく、複数のストレスがかかっています。しかし、同じストレスがかかっても、ストレス耐性には個人差があります。

そこで、ストレスがかかっていると感じたらストレス耐性を高める工夫をするとともに、今あるストレスを解消しましょう。自分だけで対処できないと感じたら、人を頼ることも大切です。

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