子育て
ハンマートゥの原因と治療法は?どうすれば予防できるの?
2023年7月5日
ハンマートゥの原因は?
足の指がZ字型に曲がり固まった状態のことを槌指(つちゆび)といい、基節骨が伸びてしまい、中節骨は硬く、ハンマーのように折れ曲がった状態のことをハンマートゥと呼びます。
ハンマートゥの原因は、足に合わない靴の使用や足の過回内(オーバープロネーション:かかとが大きく内側に傾き足首がくの字になること。着地から蹴り出しの動作が円滑にいかない状態)などの足の構造の不具合により、足の軸がうまく機能しないことの影響が大きいと考えられています。
例えば、靴のアーチが足の形に合っていないと歩行時に足指が地面をつかむようになるため、足裏の腱を過度に使用するようになり足指が曲がりやすくなります。また、靴のサイズが合わないことでできるうおのめや潰瘍で足の使い方に偏りができることも、ハンマートゥを引き起こす原因のひとつです。
そのほか、糖尿病、足の怪我、神経麻酔、遺伝、関節リウマチなどの病気やケガも足の使い方に偏りができるため、ハンマートゥのリスクを高める原因になります。
ハンマートゥになりやすい人の特徴
以下の人はハンマートゥになりやすいので注意しましょう。
- サイズが合わない靴やハイヒール、先が尖っている靴をよく履く人
- 足が成長しても靴を変えない人
- 中足骨や足の指が長い、足首の方向が変形しているなどの骨格の異常がある人
- 糖尿病や脳梗塞など、神経に影響する病気で足の筋力がうまく使えない人
- 関節リウマチや足のケガなどで足に痛みがある人
- 足にタコやウオノメ、靴ズレなどがよくできる人
- 足に負担がかかるスポーツをしている人
ハンマートゥになるとどんな症状がでるの?
ハンマートゥを発症すると、第2趾(足の人差し指)などの先端部分が折れ曲がったように変形していきます。早期段階の変形は目立ちにくいため発症に気づかない人もいますが、ヒールのある靴や幅の細い靴を履くと足の指の付け根に鈍い痛みが生じるようになります。
進行すると足の指の変形が目立つようになり、安静にしていても痛みが生じるようになることも少なくありません。また、変形によって出っ張った部分が靴と擦れることで皮膚潰瘍などを生じることもあります。
ハンマートゥはどうやって治療するの?
ハンマートゥの治療は保存療法を中心に行われ、重症化して日常生活に支障が出る状態になった場合は手術が検討されることもあります。
保存療法
ハンマートゥの保存療法では、X線(レントゲン)検査で変形の状態を確認した後
- 足趾(足の指)の動きの状態
- 足を動かすことでどの程度痛みが出るか、痛みが悪化するか
などを検査したうえで、装具や固定具、専用の靴・パッド、テーピングなどで痛みを軽減する治療を行い、潰瘍などの皮膚症状がある場合は、それらの治療も同時に進めます。
また、運動療法として足のストレッチやエクササイズを指導されることもあります。
初期の状態で治療を開始できれば外科手術をせずに回復することが多いといわれています。
外科手術
重度のハンマートゥは、腱切離、腱移行、骨切除、関節固定などの外科手術が必要になることがあります。これらは基本的には日帰りでの手術が可能ですが、手術後に足の指の拘縮や短縮が起こることがあります。また、手術後の回復のためにリハビリが必要です。
ハンマートゥを予防するにはどうすればいい?
ハンマートゥの予防のために、以下のことに注意しましょう。
- 靴は自分の足に合ったサイズを使用する
- 成長が著しい期間は、頻繁に足のサイズを確認する
- 足指部分の幅の広い靴を使用して悪化を防ぐ
- ヒールの高い靴を避ける
- 自分の足に合ったインソールを使用して、軸の補正・除圧をする
- 突き出ている関節部分を保護するために、胼胝用パッドやフェルトパッドを使用する
- 足の指のストレッチをする
足指エクササイズ
ハンマートゥ予防に役立つ簡単なエクササイズに、足の指のグーパーエクササイズがあります。
- 足の指先に力を入れて、じゃんけんの「グー」の形のように内側に指を折り曲げる
- 丸めた指を勢い良く開き、じゃんけんの「パー」の形のように指と指の間隔を空ける
- ①と②の手順を交互に5回程度繰り返す(両足とも行います)
このストレッチは、指先を解放して関節をほぐすことが目的です。曲がっている関節をしっかりと伸ばしていきましょう。
足の指を開くことが難しい場合は、手を使って1本ずつ開いてもかまいません。入浴時や入浴後の足先が温まった状態のときにすることをおすすめします。
おわりに:自分の足にあった靴を使用し、こまめに足の指を動かすことを心がけよう
ハンマートゥの原因はさまざまですが、足に合わない靴の着用が原因で起こることが多いです。予防のためには、自分の足にあった靴を使うこと、ストレッチやエクササイズでまめに足の指を動かすことが大切になってくるので、症状がひどくなる前に対策をとりましょう。