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てんかんと診断されたら、精神障害者手帳を申請できる?

2023年4月26日

てんかんは精神障害者手帳を申請できる?

精神障害者手帳(正式名称:精神障害者保健福祉手帳)は、1995年に改正された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)に規定された精神障害者に対する手帳制度です。何らかの精神疾患により、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある人を対象としています。

精神障害者手帳の申請ができる精神疾患には、以下のような症状が含まれます。

  • 統合失調症
  • うつ病、双極性障害などの気分障害
  • てんかん
  • 薬物やアルコールによる急性中毒またはその依存症
  • 高次脳機能障害
  • 発達障害
  • その他の精神疾患

てんかんの発作などで日常生活に支障があるのであれば、精神障害者手帳の申請ができます。有効期限は2年間で、2年ごとに医師の診断書とともに申請書を提出し、期限を更新する必要があります。

てんかん発作とは

てんかん発作とは、脳の一部に異常な電気的興奮が生じることによって様々な症状が引き起こされる症状のことです。症状の現れ方は電気的な興奮が生じた位置、範囲、興奮の広がり方によって異なります。

脳の一部のみに電気的な興奮が起こるものを「部分発作」と呼び、手足のけいれん、視覚や聴覚の異常、頭痛、吐き気、意識消失などの症状が生じます。一方、電気的興奮が脳全体に広がるタイプのものを「全般発作」と呼び、意識を失った後に全身に痙攣が生じたり、筋肉がぴくぴくと収縮したりする症状が見られます。

いずれも予期せぬ場面で起こるため、転倒などによって思わぬ怪我をすることがあるため注意が必要です。

精神障害者手帳を取得するメリット・デメリットは?

メリットとして、まず障害者雇用での就職・転職活動ができることが挙げられます。従業者数50人以上の企業の場合、その2%以上は障害者を雇用することが法律で義務付けられています。障害者手帳があれば、一般採用だけでなく障害者雇用でも応募でき選択肢が広がりますし、障害者雇用で採用されれば、自分の能力と適正に応じた仕事、通院や治療への配慮、周囲の理解など、無理なく仕事が続けられ精神的な安定も得られやすいでしょう。

精神障害者手帳を受けるメリットをまとめると、以下のようになります。

  • 障害者雇用での就職・転職活動ができる
  • 等級によって所得税・住民税・自動車税などが軽減される
  • さまざまな公共料金の割引サービスが受けられる

デメリットとしては、診断料や更新の負担に加えて、手帳を持つことへの抵抗感もあります。このような場合には、手帳がなくとも受けられる福祉サービス(障害年金、自立支援医療の申請など)もあります。自治体によっては「心身障害者医療費助成制度」もありますので、気になる方はお住まいの自治体に問い合わせてみることをおすすめします。

精神障害者手帳の申請手続き方法は?

精神障害者手帳の申請に必要な手続きは、患者さんが住んでいる市区町村に申請書類を提出することが必要です。

申請の流れ
  1. 市区町村の障害福祉窓口に行き、制度の説明を受けて、所定の申請書類をもらう。
  2. 診断書を作成してくれる病院を受診し、医師に診断書を書いてもらう。
  3. 診断書、必要書類一式、個人番号(マイナンバー)の写し、本人が確認できる書類の写し、顔写真(縦4cm、横3cm)を市区町村の障害福祉窓口に提出する。

申請の際は印鑑が必要となりますので、市区町村の窓口に行くときは忘れずに持っていきましょう。書類提出後に審査が行われ、発行されるまでは1~2か月程度時間がかかります。

精神障害者手帳のてんかんの等級判定基準は?

てんかんで精神障害者手帳を申請する場合、等級は下記の4種類の発作の「頻度」を基準に決められます。

  1. 意識障害が起き状況にそぐわない行動を示す発作
  2. 意識障害の有無に関わらず転倒してしまう発作が月に1回以上あり常時介護が必要
  3. ぼーっとしてじっと動かなくなってしまい意識を失ってしまうが倒れない発作
  4. 意識がはっきりしているが意図した動きができない発作
1級
ひとりで日常生活を送ることができない状態で、①と②の発作が月に1回以上あり、常時介護が必要な状態です。
2級
日常生活を送るうえで援助が必要な状態で、①または②の発作が年2回以上起こる、③または④の発作が月に1回以上起こる程度の状態です。
3級
日常生活や仕事など社会生活に制限を受けている状態で、①または②の発作が年2回未満起こる、③または④の発作が月に1回未満起こる程度の状態です。

おわりに:てんかんで精神障害者手帳を申請可能。申請する場合はお住まいの窓口へ

てんかんで精神障害者保健福祉手帳を申請できます。等級によって、就職、税金などの控除、公共料金の割引など、さまざまなサポートを受けられます。手帳を申請することに抵抗がある人は、なくても受けられるサービスがあるか調べてみるとよいでしょう。

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