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熱性痙攣とてんかんの違いは?痙攣したら必ずてんかんに移行する?
2023年3月8日
熱性痙攣とてんかんの違いは?
熱性痙攣とてんかんは、以下のように症状が起こる原因が異なり、症状の特徴も違ってきます。
てんかんの原因
てんかんとは慢性的に痙攣発作が起こる脳疾患のことで、大脳にある神経細胞が過剰に興奮することで起こり、特発性てんかんと症候性てんかんに分類されます。
特発性てんかんとは、検査で異常が認められない原因不明のてんかんのことで、てんかんになりやすい要素を持って生まれることが発症要因ではないかと考えられています。
症候性てんかんとは低酸素・脳炎・髄膜炎・脳出血・脳梗塞・脳外傷などの要因が原因で発症します。
熱性痙攣の原因
生後6ヶ月~6歳までに発症することが多い痙攣で、風邪などの感染症がきっかけで急激に体温が上がることなどが原因で、大脳が痙攣発作を起こしやすくなる状態のことをいいます。
発熱時以外にも発作が起こるてんかんとは異なり、熱性痙攣は主に発熱時に発作が起きます。
熱性痙攣とてんかんの特徴の違い
熱性痙攣とてんかん発作の症状には、下記のような違いがあります。
熱性痙攣 | てんかん発作 | |
発作が起こる時期 | 発熱時のみ | 発熱濃霧によらない |
症状の継続期間 | 乳幼児期のみ | 発症後長期間にわたり継続 |
また、てんかん発作は必ずしも痙攣が起こるとは限らず、
- 意識消失を伴う全身痙攣発作
- 体の一部がピクリと動く発作
- 会話中に意識がぼんやりする
などの気づきづらい症状が起こることもあります。
熱性痙攣で脳波検査を受けたらてんかん性の棘波が出たけど・・・
通常の脳波は、脳波検査で細かなさざ波のような線を記録しますが、てんかんの人は「棘波」や「鋭波」という尖った波線を記録します。これは、てんかん発作のときは、脳細胞全体が興奮し電気信号を出すことで大きな電流が流れることで現れると考えられています。
ただし、脳波検査で棘波が出た人すべてがてんかんというわけではありません。
1回目の脳波検査でてんかん波が確認出来るのは約半数程度とされており、繰り返し検査をすることでてんかん発作による棘波かどうかを確認していきます。
また一般的に、てんかん波は起きている時よりも睡眠中(特に入眠時・転睡眠時)に多く発生するとされているため、てんかんの疑いがある人は覚醒時と睡眠時の脳波を調べることもあります。
熱性痙攣を繰り返すとてんかんに移行する場合って?
基本的には熱性痙攣は6歳前後までに発症して大人になると完治しますが、以下のような症状が見られる場合はてんかんに移行する可能性があります。
基礎疾患として、発達障害、脳性まひや小頭症などの神経学的異常がある場合
- 以下のような熱性痙攣の非定型的特徴がある場合
-
- 痙攣が15分以上持続する
- 痙攣が半身だけ、または、ある部分だけに起こる
- 1日内で2回以上の痙攣発作が起こる
- 家族内(親や兄弟)にてんかんの既住歴のある人がいる場合
以上の特徴以外にも、赤ちゃんに熱性痙攣の発作が起きた時には、髄膜炎などの脳の感染症、発達障害、神経に関係する病気の有無などを調べます。
おわりに:熱性痙攣とてんかんは発症の原因が違う。
熱性痙攣は生後6ヶ月~6歳までに発症することの多いてんかんで、発熱時以外にも発作が起こるてんかんとは異なり、熱性痙攣は主に発熱時に発作が起きます。神経学的異常がある・熱性痙攣の非定型的特徴がある・家族内にてんかんの既住歴のある人がいる場合に移行しやすいと考えられていますが、必ずてんかんに移行するわけではありません。専門医と相談しながら、適切な治療と経過観察を続けていきましょう。