子育て
帯状疱疹が子供にうつることはあるの?学校はいつまで休ませるべき?
2022年11月9日
帯状疱疹は子供にうつる?
帯状疱疹は、ウイルスに感染することで発症する感染症の一種です。原因となるヘルペスウイルスにはいくつか種類がありますが、このうちの一種「水疱・帯状疱疹ウイルス」は、水疱瘡を引き起こすのと同じウイルスになります。
このため、まだ水疱瘡にかかったことがなく、免疫のない子供が水疱・帯状疱疹ウイルスにかかった場合には、帯状疱疹ではなく水疱瘡を発症するケースも見られます。
一方、すでに水疱瘡にかかったことのある子供が水疱・帯状疱疹ウイルスに感染した場合には、帯状疱疹を発症することが多いです。
また、水疱瘡を発症して1週間ほどで症状が治まった後に、体内に潜伏していたウイルスによって、続けて帯状疱疹を発症することもあります。
子供の帯状疱疹、どんな症状が出る?
ここからは、子供が帯状疱疹を発症したときの症状について、大人が発症したときとの違いもあわせて見ていきましょう。子供が帯状疱疹になったときの代表的な症状には、以下のようなものがあります。
赤い発疹、水ぶくれ
皮膚にチクチク、ピリピリとした違和感が出た後、赤くブツブツした発疹、または水膨れのようにぷくっとした発疹が、身体の右側・左側いずれかの片面だけに出てきます。
帯状疱疹という名前の通り帯状に発疹が出るのが特徴で、はじめは赤い発疹だったものが、水ぶくれ状のものに変化していくケースが多いです。
痛みやかゆみ
個人差がありますが、人によっては発疹に痛みやかゆみが出てくることもあります。
上記のような帯状疱疹の症状は、年齢に関係なく現れやすい代表的なものですが、一般的に子供より大人の方が重症化しやすい傾向があります。特に、発疹の痛み・かゆみは大人の方が強くなることが多いと言われ、逆に子供は発疹に痛み・かゆみの自覚症状がなく、軽症で済むことも多いと言われています。
顔に発疹ができることもある?
帯状疱疹の発疹が出る部位は、おなかや胸から背中にかけて、首から腕にかけてなど、上半身を中心に出ることが多いです。
また、人によっては顔から頭にかけて発疹が出ることもあります。顔に発疹が出た場合、目にウイルスが入って炎症を引き起こすケースもあるので、注意が必要です。
子供の帯状疱疹はどんな薬で治す?
帯状疱疹の症状について理解できたところで、次は、子供帯状疱疹を発症したときの治療方法について解説していきます。
最も一般的なのは、抗ウイルス薬を医師に処方してもらって、内服する治療法です。医師の指示に従って用法・用量を守って服用していれば、飲み始めから2〜3日ほどで効果が出てきます。途中で中断したり、自己判断で1回の服用量を変えたりすると、十分な効果が得られないばかりか思いがけない副作用を起こすこともあるので、絶対にやめてください。
また、子供に使用されることはまれですが、帯状疱疹による発疹の痛みが強い場合には、痛みをコントロールするための神経ブロック注射が使われることもあります。
いずれにしても、治療には医師の診断と薬の処方がかかせませんので、疑わしい症状を見つけたら、できるだけ早く病院を受診してください。
治療中の過ごし方は?
子供が帯状疱疹になったときは、医師の指示による投薬治療と並行して、早期の回復と合併症予防のために、家庭で以下のようなケアをしてあげると良いでしょう。
- ショウガやネギなど身体を温めるものを含め、バランスの良い食事で栄養補給させる
- 体力をつけさせるため、十分な休息・睡眠をとらせる
- 冷やすと痛みが強くなることがあるため、湯たんぽなどで発疹を温めてあげる
- 髄膜炎や顔面神経痛など、合併症を起こしやすい顔や頭の発疹に注意する など
学校や幼稚園はいつまで休ませればいい?
帯状疱疹には水疱瘡ほどの強い感染力はありませんが、すべての発疹がかさぶたになるまでは、発疹に接触すると周囲に感染を拡げてしまう恐れがあります。
発疹に触れられないよう、包帯などで覆えば感染リスクはかなり下げられるとされていますが、患者本人や周囲の子供が、遊びで包帯をはがしてしまう可能性は高いです。このため、子供が帯状疱疹を発症した場合には、基本的にはすべての発疹がかさぶたになるまでは、登園・登校させない方が良いと言われています。
ただし、帯状疱疹を発症した場合の登園・登校の規定は、園や学校によってさまざまです。詳しくは、お子さんが通っている園・学校に確認してください。
おわりに:帯状疱疹は子供にもうつることがある!休む期間は園・学校に相談を
ウイルス感染によって引き起こされる皮膚疾患、帯状疱疹は、子供にもうつる可能性のある病気です。子供が発症した場合、大人に比べると軽い症状で済むことが多いと言われていますが、早期の回復には医師による診断・治療と自宅でのケアが欠かせません。また、園や学校も休ませた方が良いとされているので、子供が通う幼稚園・保育園・学校などの規定を確認し、適切に対処するようにしましょう。