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溶連菌への感染は何が原因で起こるもの?看病中にうつる可能性は?

2022年10月19日

溶連菌に感染するのはどうして?

溶連菌とは、溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌です。いくつかのタイプがありますが、溶連菌と診断される場合には、大部分がA群溶血性連鎖球菌(A群β溶血性連鎖球菌)の感染によると考えられています。のどに感染して、のどの炎症や痛み、発熱などいくつかの特徴的な症状を起こします。幼稚園や保育園、小学校に通うくらいの子供に多い病気ですが、乳幼児や大人でも感染する可能性があります。また、何度も感染する可能性がある厄介な病気です。

溶連菌の感染経路のひとつは飛沫感染です。溶連菌の症状には鼻水や咳はありませんが、たとえ病気ではなくても、鼻水も唾液も分泌されています。溶連菌に感染した人が咳やくしゃみをした際に、近くにいる人が菌を吸い込んでしまうことで感染する可能性があります。

また、溶連菌は接触感染もします。特に家族同士や、仲の良い子供同士では、顔や手を触れ合ったり、抱きしめたりと密に接触する機会が多いため、気が付かないうちに感染している可能性があります。タオルやコップの共有や、食べている途中の食品なども注意が必要です。

溶連菌に感染したら、すぐに症状が出てくる?

溶連菌は体に菌が入るとすぐに発症するのではなく、2~5日くらいの潜伏期間があるといわれます。潜伏期間を過ぎると、突然ののどの痛み、発熱といった症状がみられます。また、全身のだるさや発疹、嘔吐、頭痛や腹痛、リンパ節の腫れといった症状がみられることもあります。

また溶連菌の特徴的な症状に、イチゴ舌があります。初期には舌の表面に白く苔が生えたようになり、時間が経過すると舌にツブツブができます。この状態がイチゴの表面のように見えることからイチゴ舌と呼ばれています。

また、溶連菌がもとで、肺炎や菌血症などの全身疾患や耳や鼻の炎症を起こすこともあります。溶連菌が疑われたときは医療機関を受診して、適切な治療を受けることが大切です。

感染した子供の看病中に気をつけることは?

溶連菌の治療では、5~10日間かけて抗生物質を服用する必要があります。適切な薬を服用すれば、24時間程度で感染力が失われると考えられています。もし、24時間以上経ってからも発熱が続いていたり、だるさがとれていないようにみえる場合、まだ菌が活動している可能性があるため、十分に休養をとることが大切です。

また、症状がよくなったようにみえたからといって、必ずしも体内から溶連菌が消えたわけではありません。このため、症状が落ち着いたからといって、薬の服用を途中で止めると合併症を起こすことにもつながります

溶連菌の合併症として代表的なものには、リウマチ熱や急性糸球体腎炎があります。これらは入院が必要となったり、回復しても長期の受診が必要となることもあります。このような合併症を防ぐためにも、医師や薬剤師の説明どおりにしっかりと薬を飲むことが大切です。

そして、治療中は家族への感染の可能性もあります。溶連菌は、飛沫感染や接触感染でうつるため、タオルやコップ、食器などは別にしましょう。また、できるだけ密接に接触することは控え、こまめに手洗いやうがいをしましょう

溶連菌感染症を発症した場合、基本的には、受診した日とその翌日は学校などを休む必要がありますが、通っている園や学校でルールが決まっていることもありますので確認してみてください。

おわりに:溶連菌はくしゃみや咳などで感染することも。看病する側の人は予防対策を

幼稚園や保育園、小学生くらいの年代の子供に多い溶連菌は、発熱とのどの痛み、特徴的な発疹などを主症状とする疾患です。感染は、唾液や鼻水などへの接触や飛沫によって起こります。治療は抗生物質を用いて行われますが、症状が良くなっても処方された薬は飲み切ることが大切です。また、治療中は家族の感染にも注意しましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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