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子どもが学習障害(LD)といわれたら

2022年10月12日

学習障害(LD)はどうやって診断されるのですか?

学習障害(LD)は、出生時にみつかる場合と、大きくなるまでわからない場合があります。出産前後にダウン症候群などの先天性の疾患がみつかってLDと診断された場合は、将来子どもの発達にどんな影響があるのか正確にはわからないでしょう。

小児科医であるマーティン・ワード・プラット博士は「いちばんの問題は、LDは早期に診断するのがとても難しいことです。発達時にその兆しはほとんどありません。2歳になっても子どもがことばを発しない場合はLDに関連があるかもしれませんが、はっきりとした確証ではありません」と語っています。

子どもの障害の程度は、その子が話したり歩いたり文字を読んだりする年齢になるにつれてだんだん明らかになります。出生時に診断されていない子どもの場合、LDだとわかるまでに時間がかかることがあります。また知的機能(認知能力)は幼少期に診断することは難しいのが特徴です。これらの障害をもつ子どもの大半は、学校に通い始めたときにようやく診断されるようになり、ほとんどのLDは5歳以上で明らかになるとも言われています。

LDと診断されても、子どもの将来にどのような影響を及ぼすのかを説明するのは難しく、現在において親ができることは「どのようなサポートが子どもの役に立つのか」を知ることです。LDと診断されたら、まず小児科医や地域のLDの子どもを育てる「親の会」などに相談してみてはいかがでしょう。

LDの診断基準

「発育遅延」ということばは、子どもが一般的な成長の経過通りに成長していない状態を表すときに使われることがあります。発育遅延自体はLDの診断結果ではありませんが、子どもがLDと診断されるまでには、以下のようなことを確認していきます。

  • どのくらい発達が遅れているのか、どの部位が遅れているのか
  • 発達の遅れがみられない部位はあるか
  • 遅延が見られるのは何らかの事情が影響しているか(障害とは関係ない理由で病院に長期間入院していた、など)
  • 潜在的な病状が発達の遅れを引き起こしている可能性はあるか
  • 家庭での育て方や不適切な刺激を受けていることが原因となっているか

LD児をもつ親の支援

ほとんどの親は、子どもは健康で正常に発達するものだと思っています。そのため自分の子どもがLD児であると聞いただけでショックを受け、診断を受け入れることができないこともありえます。

そうした不安に襲われたときは、子どもに何が必要かについて遠慮なく何でも医師に質問してください。子どもができることを多くみつけてあげてください。医師、看護師、サポート団体または友人や家族に打ち明けることで、気持ちが落ち着いてくることがあるでしょう。同じ境遇をもつほかの家族の話を聞いたりカウンセリングを受けたりすると、有益な情報を得られることがあります。

福祉サービスや発達障害の子どものための関連機関などを調べ、医療支援や療育について情報を集めましょう。こうした支援を活用すると行動計画を作ってくれたり、実用的なサポートを含むケア、財政問題、親や介護者といったさまざまな面のサポートが受けられます。
たとえば、以下のような日常生活について相談してみるのもおすすめですよ。

  • 家庭で子どもの世話をする(たとえば授乳や入浴)
  • 乳母車や車で子どもを外に連れていく
  • 子どもを保育園や学校に連れて行く
  • 赤ちゃんや幼児のコミュニティ活動に参加させる

住んでいる地域の福祉課などに相談すると、必要に応じて自宅での援助やサポートの情報を提供してくれるでしょう。

おわりに

子どもの学習障害に悩んだときは、遠慮なく誰かに相談したり支援を活用していきましょう。ワード・プラット博士は「歩くのが遅い子どもがいれば、発達が遅れているようにみえるかもしれません。でも親がもっとゆっくり歩いていたら、それは遺伝である可能性があるのです」といっています。ゆっくりと子どもに向き合っていきましょう。

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