子育て
大人のオスグッド病の再発は子供の頃のケアが重要!その方法とは?
2022年9月14日
オスグッド病はどんな病気なの?
オスグッド・シュラッター病(以下、オスグッド病)は、脛骨粗面(脛骨結節)という膝の下(すねの一番上)の部分が少しずつ出っ張ってくる成長期特有の疾患です。長期間続く痛みの症状が現れ、腫れや発熱がともなうこともあります。
オスグッド病のほとんどは、安静やストレッチなどのセルフケアで症状の改善が見込めますが、まれに手術が必要になる場合もあります。
オスグッド病の原因~子供に多いのにはこんな理由が
オズグッド病は骨がまだ成長している10歳から15歳くらいのときになることがほとんどであり、サッカーやバレーボール、バスケットボールなど、走ったりボールを蹴ったり、ジャンプすることが多いスポーツのやりすぎで発症します。
これは脛骨の成長中の骨(骨端線:成長線)を太腿四頭筋が繰り返し牽引してしまうことが原因です。
成長中の骨はまだ柔らかい軟骨のため、大腿四頭筋が緊張するような運動を過度に行うと、大腿四頭筋の付着部の骨端が引っ張られることで少しずつ成長軟骨が剥離・変形して炎症が起こり、痛みや腫れなどの症状が発生します。
大人がオスグッド病になることはあるの
オスグッド病は成長期を過ぎると症状が治まっていきますが、大人になってから再発することもまれにあります。
例えば、子供の頃のオスグッド病で欠けた骨が残ったままの場合や、オスグッド病で出っ張った膝下の骨に強い衝撃が加わり剥離した場合などに再発する可能性があります。
また、このような器質的な原因がなくても、大腿四頭筋の過度の緊張により脛骨結節に強い刺激が加わることで症状が再発する場合があり、これをオスグッド後遺症といいます。
オスグッド病の治療について説明
発症したときのケア
オスグッド病を発症したときは、症状を悪化させるような運動を制限や中止し安静にするようにしましょう。
特に有効とされる処置としてはアイシングが挙げられますが、痛みが強い場合は消炎鎮痛剤の服用や外用(湿布剤など)することもあります。
また、痛みが治まった後でも、負担が大きいスポーツをするときは、オスグッド用の膝サポーターを着用して脛骨結節への負担を軽減する対策をとることもおすすめです。また、大腿四頭筋の緊張を緩めるため、ストレッチが重要です。
オスグッド病の手術
骨の成長が止まった後も膝が痛みが治まらない場合は、剥離した小さな骨が治らずに残っている可能性があるため、取り除く手術を行う場合があります。
運動を再開するタイミングについて
オスグッド病の痛みが軽度であれば、すぐに運動を再開できますし、痛みがひどい場合でも、症状が改善し痛みが治まれば、運動の再開が可能です。ただし、痛みが再発、悪化した場合はすぐに運動を中止しましょう。また、運動前にストレッチをしたり、運動時にサポーターを使うなどの対策も怠らないようにしてください。
オスグッド病の再発を予防するリハビリやストレッチ
オスグッド病は一旦症状が改善しても再発しやすいのが特徴です。再発を予防するには、子供の頃からストレッチや筋力トレーニングなどを行って適切なリハビリを行うことが大切であり、大腿四頭筋のストレッチや筋力強化、足首の柔軟性などが効果的です。
オスグッド病は、膝蓋骨が大腿四頭筋に過度に牽引されることが大きな原因となりますので、この筋肉の柔軟性を維持し、筋力を強化すれば、膝蓋骨へのけん引力も緩和されます。
方法は簡単ですが、直立の状態で足裏をお尻にくっつけるように曲げると、大腿の前面にある大腿四頭筋が適度に伸ばされてストレッチ効果を得ることができます。また、スクワットなどの運動で筋力を強化することが可能ですが、痛みがある間は控えた方が無難です。
さらに、足首は椅子に座った状態で足首を回すトレーニングを繰り返すことで柔軟性を維持することが可能です。運動時に足首の柔軟性が低下していると、足を着いた時の外力が直に脛骨に伝わってオスグッド病を発症する危険が高まるため、日ごろのトレーニングだけでなく、運動前のウォーミングアップも重要です。
おわりに:大人になってからの再発を防ぐためにも子供が膝の下の痛みを訴えたときは、整形外科へ
オスグッド病は、スポーツをする成長期の子供に発症します。しかし、発症したときに適切な治療を行わないと、大人になってから再発することもがあります。子供が膝の痛みを訴えたときは、整形外科を受診し、適切な対処をとるように気を配ってあげましょう。
また、大人になってからのセルフケアも重要です。運動時だけでなく、日頃からストレッチを日常化して、筋肉の柔軟性を保ちましょう。