子育て
夏の食中毒の特徴は?どうすれば予防できる?
2022年7月20日
夏の食中毒で多いタイプは?
食中毒とは、細菌やウイルスに汚染された飲食物や有害物質が含まれた飲食物を摂取することで、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状を引き起こすものです。このうち、細菌を原因とする食中毒を細菌性食中毒と呼びます。細菌性食中毒は、食中毒全体のなかで発生件数の70~90%を占めています。細菌性食中毒は気温と湿度が高くなる夏に多く発生し、感染型、毒素型、生体内毒素型という3つの代表的なタイプに分かれます。以下、それぞれの原因菌を紹介します。
感染型
細菌が付着した食品を摂取し、体内で増殖した細菌が病原性を持つようになります。
- サルモネラ
- 潜伏期間:6~72時間
潜伏場所:鶏肉、牛肉のたたき、牛のレバ刺し、卵、卵の加工品、加熱が不十分な食品など - 腸炎ビブリオ
- 潜伏期間:4~28時間
潜伏場所:生鮮魚介類とその加工品、生で食べる刺身、寿司など - カンピロバクター
- 潜伏期間:2~7日
潜伏場所:生食、加熱不十分な肉類など。ペットから感染することもある
毒素型
細菌が食品中で増殖して毒素が作られます。
- 黄色ブドウ球菌
- 潜伏期間:1~6時間
潜伏場所:人の手を介して感染するのが特徴。おにぎり、寿司、サンドイッチなど - ボツリヌス菌
- 潜伏期間:3~30日
潜伏場所:真空パック入り食品、ビン詰め食品、缶詰め食品、発酵保存食品など
生体内毒素型
細菌が体内で増殖して毒素が作られます。
- 腸管出血性大腸菌(O157など)
- 潜伏期間:4~9日
潜伏場所:牛肉、ハンバーガー、ローストビーフ、生乳、サンドイッチ、サラダ、飲料水など - ウェルシュ菌
- 潜伏期間:6~18時間
潜伏場所:作り置きのカレーやシチューなど、加熱調理後、室温で長時間放置された食品に発生しやすい傾向がある
夏の食中毒でみられる症状は?
夏の時期に多くみられる食中毒に罹ると、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、発熱、血便などの症状があらわれます。また、カンピロバクターを原因とする感染型食中毒に罹った場合、1000人に1人の割合でギランバレー症候群を引き起こし、手足のまひや呼吸困難があらわれて命に関わることもあります。
夏の食中毒になったときの対処法は?
腹痛など食中毒の可能性がある症状があらわれたら、すぐに最寄りの医療機関を受診しましょう。また、夏は汗で脱水症状に陥りやすいですが、食中毒によって脱水状態がさらに進んでしまう恐れもありますので注意してください。
診察後は医師の指示に従います。また、脱水症状を避けるために、こまめな水分摂取を心がけることも大切です。食事は胃腸を刺激しないように、ぬるめのお湯やスポーツドリンクを摂取しましょう。食事を再開するときも、消化しやすく胃腸の負担が軽いものを選んでください。
夏の食中毒を予防するには
夏の食中毒予防は、食材の取り扱いがとても大事です。以下に、食材の選び方や保存方法などをご紹介します。
食材購入時
- 消費期限や含まれている食品を確認する
- 家に持ち帰るまで、肉や魚は汁が漏れないようにする
- 食材を持って移動するときは氷や保冷剤を入れる
保存方法
- 購入した食材はすぐに適切な方法で保存し、放置しない
- 生鮮食品は冷蔵庫(10度以下)、冷凍食品は冷凍庫(マイナス15度以下)に保存する
- 保冷効果を保つため、冷蔵庫や冷凍庫にものを入れ過ぎない
料理方法
- 調理前に手や爪を石けんで丁寧に洗う
- 野菜は流水でしっかり洗う
- 生の肉、魚、卵を触ったら手を丁寧に洗う
- 肉や魚は十分に火を通す
食事
- 食前に手や爪を石けんで丁寧に洗う
- 清潔な食器で食べる
- 料理が冷めてしまう前に食べきる
- 臭いなど、異変を少しでも感じたら食べない
- 保存していた料理を再加熱するときは十分に火を通す
後片付け
- 料理の保存は清潔な容器を選ぶ
- まな板や包丁はよく洗い、熱湯消毒する
- スポンジは洗って、きちんと水切りする
外食など
- 生食や生焼け料理は避けて注文する
- 生の肉や魚介類を扱う箸は、食べる箸を併用しない
- 食べきれなかった料理は持ち帰らない
- 室温で2時間以上放置しない
おわりに:命に関わることもある食中毒は油断禁物です!
夏の食中毒は腹痛や下痢、嘔吐のほか命に関わる重症を引き起こすことがあります。食材を選ぶときはもちろん、調理中や食事を食べるときも、食中毒予防を心がけましょう。