子育て
手のひらのぶつぶつや痒みの原因は手湿疹かも!?治療法はどんなものがある?
2022年6月8日
手湿疹の原因と症状とは?
手湿疹とは、洗剤などの刺激や、家事などによる物理的な外部刺激によって、手のひらや指に発症する皮膚炎です。
人間の皮膚は、皮脂によって潤いが保たれています。ところが、水仕事などで何度も皮脂を水で流してしまうと、肌が乾燥し、外部刺激を受けやすい状態になります。
手は皮膚が厚いので、顔などに比べると乾燥や外部刺激に強いのですが、その分皮脂の分泌が少なくなっています。水仕事などで皮脂がなくなってしまうと、皮脂はなかなか回復せず、乾燥した状態が続きます。その結果、外部刺激に反応して炎症を引き起こしてしまいます。
手湿疹と「主婦湿疹」
手湿疹は上でも述べたように洗剤や水などによる手の刺激を受けやすい人が発症する病気です。そのため、洗剤や水に触れる機会の多い主婦がなりやすいことから、一般的には「主婦湿疹」と呼ばれることも多い病気です。
また、主婦の他にも、
- 美容師、理容師
- 調理師
- 看護師
- 清掃業者
- 保育士
などの職業の方も手湿疹を発症しやすいとされています。
手湿疹の症状
- 手のひらや指の痒み
- 掻き出すと痒くて止まらなくなったり、赤くなりブツブツが残ったりします。
- 角化
- 手のひらや指の皮膚がかたくなることがあります。
- その他
- 水泡ができたり皮膚がめくれたりすることがあります。
ひび・あかぎれと手湿疹はどのような違いがある?
手湿疹と似たような症状に、ひびやあかぎれがあります。ひびやあかぎれと手湿疹はどのような違いがあるのでしょうか。
手湿疹とは外部刺激による手の炎症です。手全体に痒みやあかみ、かぶれが発症する原因に、外部からの刺激が存在しています。一方、ひびとあかぎれの原因は下記のようなものです。
- ひびとあかぎれの原因
- 気温の低下により皮脂や汗の分泌が低下し、皮膚が乾燥することが原因で発症します。症状としては、指が部分的にパクッと割れます。
手湿疹の治療法とは?
手湿疹の治療は、外用薬と内服薬による治療を行います。
外用薬
ステロイド外用剤と保湿剤が使われます。ステロイド外用剤は、炎症を鎮静化する働きがあります。注意すべき点としては、ステロイド外用剤はあくまで炎症を抑えるための薬であって、病気を治すためのものではないということです。
手湿疹を治すためには、保湿ケアを行って手の乾燥状態を改善していく必要があります。そのためには、保湿剤で乾燥した肌をケアして、皮膚のバリア機能を改善してます。
内服薬
抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、漢方などがあります。
抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤
痒みを抑える作用があり、飲み続けることで痒みの頻度を少なくする作用が期待できます。
漢方
血の巡りをよくしたり、冷えを改善することで、皮膚の回復を促し湿疹ができにくい体質へ近づける効果が期待できます。
日常生活で気をつけるポイントやセルフケアは?
手湿疹対策として日常生活で気をつけるポイントは、なるべく手の負担を軽減することです。炊事や洗濯という水まわり作業の仕方を工夫することで手の乾燥を防ぎ、手湿疹を予防しましょう。
水や洗剤にふれる時間を少なくする
水や洗剤に触れる時間をなるべく少なくするのがポイントです。皿洗いの際は、水洗いする前にある程度汚れをふき取っておいたり、食器を洗剤に漬け置きしておくことで、手が水にさらされる時間が減らせます。
ゴム手袋を使って肌を保護
水仕事をするときは、ゴム手袋を付けて肌を守ることがおすすめです。
お湯の使用は少なめに
皮膚の油分を奪い乾燥の原因になりますので、お湯はなるべく使わないようにしましょう。
水仕事が終わったらすぐに保湿!
水仕事の後は、保湿クリームなどを活用してしっかりと保湿するようにしてください。
こんな症状のときは皮膚科に相談!
手湿疹は洗剤や水による頻回な刺激が原因となって引き起こされるため、上でご紹介したようなセルフケアを続けていけば症状も次第に改善していきます。
ですが、重症な手湿疹はセルフケアのみでは対処できず、皮膚科などでの治療が必要になることがあります。とくに次のような状態の手湿疹はセルフケアのみでは治らない可能性がありますので注意しましょう。
- 特定の物質に触れると症状が強くなるなどアレルギーの疑いがある
- 痛みや灼熱感が強く、日常生活の動作に支障がある
- 指先を中心に皮膚が割れて出血や強い痛みがある
- 水ぶくれができやすく、再発を繰り返す
おわりに:水仕事など外部刺激による手湿疹は、保湿や薬による治療がポイントです
手湿疹は、水仕事をする機会が多い人によくみられる皮膚炎です。水仕事のやり方を工夫することで発症を予防しましょう。特に保湿は大切ですのでこまめに行うことをおすすめします。手湿疹の症状がひどい場合には、なるべく早めに皮膚科を受診するようにしましょう。