子育て
ワクチンで肺炎球菌感染症を予防しよう!
2022年1月5日
肺炎球菌ワクチンを受けるべきなのか
肺炎球菌感染症は誰でもかかる可能性のある病気です。深刻な病気になるリスクが高いこともあり、乳児や65歳以上の成人、重度の心臓あるいは腎臓疾患などの、長期的な病気にかかっている子どもや成人に対しては、地方自治体が積極的に肺炎球菌ワクチンの接種をするように声をかけています。
肺炎球菌ワクチンはどのくらいの頻度で投与されるのか
乳児の初回接種は、生後2ヵ月~7ヵ月までに開始します。そして、27日以上の間隔をおいて3回、追加接種については3回目の接種を行ってから60日以上の間隔をおいて1回の接種を行います。
65歳以上の人は、決まった期間の中で対象者が1度接種を受ける、定期接種となっています。
肺炎球菌ワクチンのさまざまなタイプ
肺炎球菌ワクチンのタイプは、年齢や健康状態によって異なり、下記の2つのタイプがあります。
- 小児用肺炎球菌ワクチン(PCV)
- 肺炎球菌多糖体ワクチン(PPV)
65歳以上の人、あるいは長期的な病気のために高いリスクのもとにある人に投与されます。
肺炎球菌感染症のリスクを避けるため、2歳以上であればPPVワクチンの投与が可能です。2歳以下の子どもには効果がないと考えられています。
肺炎球菌ワクチンはどのようにはたらくのか
どちらのタイプの肺炎球菌ワクチンも、身体が肺炎球菌に対する抗体をつくることを促進します。抗体は病原体や毒素を中和するために身体で作られるタンパク質です。細菌に感染したとき、病気になるのを防ぎます。
なお、90種類以上の肺炎球菌が特定されていますが、もっとも深刻な感染症を引き起こすのは、その中のたった8~10種類だけとされています。
小児用ワクチン(Pneumococcul Conjugate Vaccine; PCV)は13種類の肺炎球菌バクテリアを予防し、成人用ワクチン(Pneumococcal Polysaccharide Vaccine; PPV)は23種類を予防するとされ、PPVもPCVも不活化ワクチン、つまり死菌ワクチンであり、生きた組織はまったく含んでいないため、接種しても肺炎を引き起こしてしまうということはありません。
肺炎球菌ワクチンの副作用
多くのワクチンと同じように、小児用、成人用の肺炎球菌ワクチンは、以下のような軽度の副作用を引き起こすことがあります。
- 軽度の発熱
- 注射を打った場所の赤み
- 注射を打った場所がかたくなる、あるいは腫れる
ごくわずかに起こる深刻なアレルギー反応の危険性を除けば、小児用、成人用のいずれのワクチンにも重度の副作用はほとんどありません。
おわりに:乳児や高齢者は手遅れにならないように受けておこう
肺炎は、風邪のような症状から始まる病気であり、その中でも特に一般的なものとされるのが肺炎球菌感染症です。
肺炎球菌ワクチンは、深刻で潜在的な致死性のある肺炎球菌感染症を予防してくれます。肺炎球菌感染症にかかりやすい乳児や高齢者の予防には非常に役立つワクチンです。肺炎球菌に感染して深刻な症状に陥らないためにも、受けておくようにしましょう。