子育て
熱性けいれん(ひきつけ)とは!?症状の特徴と正しい対処法について
2021年7月20日
熱性けいれんとは、どんな状態?どんな特徴があるの?
熱性けいれんとは、38度以上の発熱とともに発生するけいれんのことです。この状態はひきつけと呼ばれることもあります。インフルエンザなどの感染症や風邪など、熱が上がったときに24時間以内に発症するという特徴があります。
熱性けいれんは、生後6カ月から5歳までの乳幼児に多く見られます。小児のうち約7%は熱性けいれんを経験するといわれていて、小児期のけいれんの中で最も多いものと言われています。
熱性けいれんが発症する原因とは?
熱性けいれんは、風邪や感染症などによって体温が急激に上昇した際に、脳がけいれんを起こしやすい状態になるために発生するといわれています。
なぜ熱が上がるとけいれんが起きやすくなるのかについては、まだ明らかにされていませんが、特に赤ちゃんや子供の脳はまだ未発達のため、高熱が上がった際のストレスによって脳内に何らかのトラブルが発生し、熱性けいれんが発生すると考えられています。
日本での熱性けいれんの発症率は10%ほどですが、そのうち両親や兄弟など親族に熱性けいれんを経験した人がいると、発症率は高まるといわれています。
熱性けいれんの症状の経過と頻度について
熱性けいれんの症状は、ほとんどの場合、発熱後24時間以内に見られます。具体的な症状は、意識の消失や、全身を突っ張らせて四肢を震わせるけいれんです。全身にけいれんが起きることが多いですが、場合によっては体の一部分のみ見られるケースもあります。
なお、通常であればけいれんは数分間で止まります。しかしまれに15分以上持続することもあり、このような場合や、1日に複数回繰り返す場合には注意が必要です。
熱性けいれんは大半の場合、一生に1回しか起こりません。しかし再発するケースも30%ほど見られ、3回以上繰り返すケースも10%ほど見られます。
けいれんの症状が出たとき対処法とは!?
けいれんの症状が出てきた際には、保護者の方がパニックを起こさずに落ち着いて対応することが何よりも重要です。
熱性けいれんが起きたら、まずお子さんをすぐに布団の上に寝かせましょう。外出先の場合には、横にできる場所にすぐに寝かせます。そしてけいれんが始まった時間を、時計を見て秒数単位で確認してください。
その後、首元やおなかなどが苦しくならないように、衣服を緩め、横向きにしましょう。けいれん中には嘔吐するケースもあるので、横向きにさせることで、嘔吐物が食道に流れて詰まるのを防ぐことができます。けいれんが終わるまでは静かに待ち、けいれんが落ち着いたら時間を確認し、何分間続いたかを確認しましょう。
10分たってもおさまらない場合や、痙攣が止まっても意識が戻らない、チアノーゼの状態が続いているなどの場合には、早急な対応が必要となるので、救急車を呼んで診察を受けるようにしましょう。
ジアゼパム坐剤
熱性けいれんにはジアゼパム坐剤が広く使用されています。ジアゼパム坐剤は、熱性けいれんを予防する効果があり、熱性けいれんの既往がある人に対して処方されます。
- 概ね37.5度以上の発熱があったときには一回目を挿入
- その後も発熱が続いたり、熱が上がるようであれば解熱剤と共に八時間以上の間隔を空けて二回目を挿入
ということを目安に使用してください。
二回の投与だけで、熱性けいれんを大幅に予防できることがわかっており、発熱に気づいた段階で投与を開始することが大切です。
しかし、副作用として、ふらつきや注意力散漫などが現れることがありますので、転倒やケガをしないように注意して様子を見るようにしましょう。
熱性けいれんを起こしたことがある子供は予防接種を受けられないの?
熱性けいれんがを起こしたことがある子供でも、全ての予防接種を受けることは可能です。予防接種によって、様々な感染症の重症化を予防することは熱性けいれんを発症するリスクを軽減することにもつながります。
ただし、予防接種は副反応が生じる可能性もあり、熱が出て熱性けいれんが引き起こされる可能性もゼロではありません。このため、予防接種を受けるときには、必ず医師に熱性けいれんの既往を報告し、予防接種を受けるべきかを相談するようにしましょう。
おわりに:熱性けいれんが起きたときは、まずは落ち着くことが大切
赤ちゃんや子供に熱性けいれんが見られたとき、驚き動揺してしまう保護者の方は少なくないでしょう。でも、まじは落ち着いて、冷静に適切な対応をすることが大切です。事前に正しい知識を身につけておくことで、いざというときに落ち着きやすくなります。
今回ご紹介した対処法をぜひ覚えておいてくださいね。