子育て
イライラを止められないのは、育児に疲れているサインかもしれません
2021年4月7日
育児疲れの可能性がある兆候は
待ちに待った待望の赤ちゃんでも、初めての子育ては常に不安がつきまとうものです。また、実際の子育て作業は想像以上に大変で、新米ママはぐったりしてしまうでしょう。
次のような症状が現れていたら、育児に疲れているのかもしれません。
・ささいなことでイライラする
・体がだるい
・頭痛がする
・めまいがする
・眠れないもしくは昼間眠い
・無気力で何もしたくない
・過食もしくは食欲不振。
・なかなか疲れが取れない。
産後の疲れ
産後の疲れとは、産後数週間にわたって感じる肉体的な疲れと精神的な疲れのことです。産後疲れはなぜ起こるのでしょうか。
産後の疲れの原因と対策を紹介します。
産後の疲れの原因とは?
出産の苦しみや睡眠不足、新生児を世話するストレスが重なって、産後にひどい疲れを感じるのは普通のことです。
「産後の気のふさぎ」と産後うつ病(PPD:post partum depression)
「産後の気のふさぎ」とPPDは、同義的に使われることもありますが、まったく別のものです。
産後の気のふさぎを感じる人は非常に多く、70~80%の新米ママが経験すると推定されています。出産後、涙もろく、いらいらし、疲れ果てて、睡眠に問題をかかえてしまうような変化が起こります。産後の気のふさぎは、産後数日で始まり2~3週間続きます。
産後うつ病(PPD)
PPDの症状は、産後の気のふさぎと似ているため、症状の見極めるが困難なケースも多いようです。
産後の気のふさぎは短期で終わり軽い症状で済むという特徴がある一方、PPDの症状は、産後すぐから、赤ちゃんが離乳するまでの産後1年以内であれば、いつでも起こりうると考えられています。はっきりとした症状が現れるという特徴があり、数週間~数ヶ月、もしくは1年からそれ以上と長期化する可能性もあります。
産後うつ病(PPD)の原因
PPDの正確な原因は分かりませんが、産後のホルモンの変化が症状を引き起こすと考えられています。赤ちゃんの世話が苦痛に感じたり、睡眠が不足したり、家庭や職場でのストレスなど、ほかの多くの生活の混乱も影響しているかもしれません。
産後うつ病(PPD)の症状
産後の気のふさぎかPPDかを判別するのは難しいです。心身におかしなことが起こっていると自覚しているかもしれませんが、それが実際にはPPDだと思い至ることは少ないのではないでしょうか。
PPDの症状には以下が含まれます。
・泣く
・いらいらする
・睡眠が邪魔される(眠ることができないか、一日中眠りたい)
・摂食障害(まったく食欲がないか、過剰に食べてしまう)
・継続的な悲しみ、希望や助けのない感覚
・深刻な不安
・家事や仕事の問題
・いままで楽しんできた活動に興味がなくなる
・社会的孤独(社会に参加していなかったり、つながりを感じられない)
・無価値だと感じたり、悪い母親だと思う
・自分と赤ちゃんの面倒が見られない
PPDはどんなママにも起こりうるものであり、ママの行動が原因になるわけではありません。PPDはママの責任ではないことを理解してください。
育児に疲れてしまう背景には何がある?
ほぼすべての女性が産後の疲れを経験します。その理由として、第一に、まだ産後の回復の途中であることが挙げられます。産後の回復は簡単にできるものではありません。
第二に、母親になることで、新しいことを学ぶ必要性を感じたり、新しい課題に直面する機会が増えることが挙げられます。24時間赤ちゃんに接しているわけですから、その責任感とストレスは相当のものです。睡眠時間が短くなり、憂鬱な気分によって疲れを感じてしまうこともあるでしょう。
第三に、日に日に大きく成長する赤ちゃんを運ぶという、今まで体験したことがないような大きなエネルギー消費を体感することが挙げられるでしょう。母乳育児の場合は、母乳をつくるためにさらに多くのエネルギーを消費するので、疲労感はさらに増えます。
どうすれば育児疲れから抜け出せる?
家事や育児に優先順位をつけましょう。
赤ちゃんや自分自身の健康を第一にして、洗濯物、料理、清掃などは妥協することも必要です。
育児と家事の分担を
赤ちゃんの世話や家事をパートナーと分担していない場合は、パートナーに分担して欲しいことを伝えましょう。ママの体力が回復するまでは、パートナーの負担量が多くなるようにしてください。
身体がどれほど疲れているか、赤ちゃんの世話や家事を分担してもらえたらどれほど助かるかを、パートナーに伝えることも大切です。また、ママの実母や義母、親友に手を貸してもらってもいいでしょう。赤ちゃんを散歩に連れていってもらっている間に一眠りすることができます。
いろいろとやることはあると思いますが、赤ちゃんがお昼寝をしている間、15分間だけでも横になってください。休むチャンスがあるときに少しでも休息をとるだけでも、疲れは回復していきます。
助けを求めましょう
産後うつだと思われる場合は、助けを求めるようにしましょう。
病院を受診し、疲れの原因をつきとめることも大切です。どんなに赤ちゃんの世話が忙しくても、自分の身体を大事にしなくてはいけません。しっかり食べて、昼寝をして、水をたくさん飲んでください。
PPDを治療しないと……
もし自分がPPDだと思ったら、パートナーとお医者さんに相談しましょう。治療しないままでいると、PPDは数ヶ月、数年続きいてしまう可能性があります。
また、PPDの治療をしないと、赤ちゃんの言語の遅れや行動に問題が見られるようになる可能性があることが示唆されています。
おわりに:つらいときはひとりで抱え込まず、周囲の人に気持ちを打ち明けてみよう
育児疲れだといって甘く見ることは禁物です。体の不調や精神面で追い込まれる前に、パートナーや、周囲の人に打ち明け、肉体的にも精神的にもサポートしてもらうようにしましょう。