子育て
肌に赤いぶつぶつができる水ぼうそうってどんな病気?
2020年7月27日
水ぼうそうってどんな病気?
水ぼうそうとは「水痘」とも呼ばれるもので、水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。
感染経路
空気感染、飛沫感染、接触感染
潜伏期間
2週間程度
特徴
- 日本では年間100万人の発症がみられ、主な患者が小児
- 9歳以下の発症率が90%を占める
- 大人が発症した場合は重症化するリスクが子供より高くなる
水ぼうそうになると出てくる症状は?
水ぼうそうの感染の流れを以下にご紹介します。
- 上気道が水痘帯状疱疹ウイルスに感染
- ウイルスが血流にのり、ウイルス血症となる
- 感染から約2週間(10〜21日)を経て発症
- 全身の発疹、かゆみ、倦怠感、発熱などの症状があらわれる
発疹は最初に頭皮にあらわれ、体幹、四肢の順番で出現していく傾向がみられます。発疹は、皮膚が赤くなる紅斑性の発疹、水疱、粘度のある液体が含まれる膿疱、かさぶたへと変化します。発熱より先に発疹があらわれることが多いです。
数日間にわたって発疹が次々とあらわれますが、健康な子供が発症した場合は数日間で治癒することがほとんどです。ただ、まれに細菌の二次感染、髄膜脳炎、小脳失調、肺炎、肝炎などの合併症を引き起こすことがあります。重症化すると入院、最悪の場合は命に関わる場合があります。
水ぼうそうはワクチンで予防できる!
水ぼうそうを予防するには、ワクチン接種が有効です。水ぼうそうワクチンは生後12カ月から接種することができます。
ワクチンは、1回接種と2回接種で期待される効果が異なります。
ワクチン1回接種
- 水ぼうそう感染率が80〜85%減少し、水ぼうそうの重症化はほぼ100%防ぐことが可能
- ただし水ぼうそうにかかった場合、集団発生の原因となるおそれがある
ワクチン2回接種
予防効果がさらに高まり、集団感染への長期的な予防が可能
ワクチン接種した方がいい人
水ぼうそうにまだかかったことがない生後12カ月以上の子どもは、ワクチン2回接種が推奨されます。13歳以上の健康な人で水ぼうそうの免疫がない人も、ワクチン2回接種が推奨されます。ただし1回目と2回目の接種は28日以上の間隔を空けてください。
50歳以上の人で、過去に水ぼうそうまたは帯状疱疹に罹ったことがある人はワクチン1回接種が推奨されます。帯状疱疹の予防が期待できます。
ワクチン接種のタイミング
1回目の接種は、乳幼児であれば生後12から15カ月の間にします。2回目は1回目から3カ月以上空けてください。日本では小さな子どもの発症が多くみられるため、2歳までに2回目の接種を行うと安心です。
ワクチン接種できない人
- 水ぼうそうワクチンにアナフィラキシーなど強いアレルギー症状を持つ人
- 妊娠している人
- 免疫機能に異常のある疾患を持つ人
- 免疫力を抑制する治療を受けている人
ワクチン接種後の副反応は?
副反応として、数日中で治る一過性の発熱、発疹がみられることがあります。また、3〜5%の確率で、全身性の水ぼうそうのような発疹がみられることもあります。
なお、成人の女性がワクチンを接種した場合、接種後2カ月間は妊娠を避ける必要があります。
水ぼうそうにかかったときの対処法は?
水ぼうそうを発症した場合の対処法を紹介します。
水ぶくれをかかない、潰さない
発生した水ぶくれをかいたり潰したりするのはやめましょう。傷跡が残ったり、細菌が入り込んで二次感染を引き起こすおそれがあります。水ぶくれは温めるとかゆみが増します。お風呂はぬるめにするなど温めすぎないようにするのがおすすめです。また、水ぼうそうをケアするときは、爪は短く切りそろえ、手洗いをしっかり行って手指を清潔にしてください。
食事は胃腸にやさしい消化のよいものを
嘔吐がない場合、水ぼうそうでは食事制限は特にありません。口の中に水ぶくれが発生して痛みを伴うときは、刺激が少ない食事がよいでしょう。感染中は体力が消耗していますので、消化しやすい胃腸にやさしい食事で栄養を摂取し、なるべく安静にしてください。
発症したらすぐに病院を受診
健康的な子供が水ぼうそうを発症した場合、自然に治るケースが多いので、あまり敏感にならなくても大丈夫です。しかし持病で免疫力が低下しているときや、1歳以下の子どもが発症した場合は、重症化に気を付けてください。症状があらわれたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
一方、大人が感染した場合は肺や肝臓に影響を及ぼし重症化するおそれが高いため、すみやかな対応が必要です。
おわりに:水ぼうそうはワクチン接種で予防すると安心。小さな子どもと大人の重症化に要注意!
水ぼうそうは日本では珍しくない病気で、多くの患者さんは自然に治癒し、ワクチンによる予防が有効とされています。しかし小さな子供や大人が発症した場合は重症化のおそれがありますので、あやしい症状がみられたらすぐに医療機関に相談しましょう。